読書日記

  幸せを感じる心を養う

 『老子』(小川環樹・訳注)をヒントに考える“幸せの道”。

平凡なものは、なかなか幸せには見えない。
 かすかな心の声は、なかなか聞き取れない。
 小さな幸せは、つかみそこねて、なかなか得られない

  (『老子』第14章「視之不見、名曰夷、聴之不聞、名曰希、摶之不得、名曰微」)

 みんながもっているようなもの(事・人・物)には、幸せを感じられない人がいます。たとえば、ご飯が食べられること、親がいること、眠れる家があること、・・・。有るのが当たり前と思っていたものが無くなった時不幸になる場合、それは有ることが幸せなのです。「平凡がいい」と考えられる人もいるのです。

 自分の心の声に気づけない人がいます。たとえば、自分がイヤがっていること、自分が苦しんでいること、小さな幸せの感情、心から希望してもの、・・・。
 自分のイヤな気もちに気づいて、幸せになる考え方を心がけられるようになるといいでしょう。
 (ちょっとでも)楽しい、うれしい、いいなぁという好感などの自分の幸せな感情に気づいて、それを味わい、「幸せだなぁ」と思えば、確かな幸福感を感じられます。
 また、自分の望み自分の幸せを知り、その中から自分が幸せになれることをやれるようになるといいでしょう。

 小さな幸せには気づけない人がいます。気づけても幸せを感じられない人もいます。
 生活の中でいろんな幸せを感じて暮らせるようになるためには、小さな幸せを感じられるようになることが肝心です。

だが、誰もが本来もっている心の働きをもってすれば、
 今有る幸せをもっととらえることができるようになる。
 そういう心の力が自分にもあると知ることが、
 幸せの道のとっかかりになる

  (『老子』第14章「執古之道、以御今之有。 能知古始、是謂道紀」)

 幸せに気づく能力幸せを感じる能力も、誰でも本来もっているのだと思います。
 ただし、そういう能力を使おうとしない人、そういう能力が低下している人が多いのだと思います。
 たいていの能力は、使い続ければ維持でき、使わなければ低下し、工夫しながら使えば向上させることができるのです。
 幸せを感じる能力も同様です。幸せを感じられるように工夫と努力を続けることで、幸福を感じられる心を育てていけるといいでしょう。その際にいちばん大切なのは、素直な心かもしれません。



   

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