「幸せについて」
その8 小さな幸せ

「幸せはたくさんある」と思えたほうが、それだけ幸せになりやすいのです。そのためには、「小さな幸せ」の価値を実感できることが肝心です。
「小さな幸せ」は誰のまわりにもたくさんあります。日々の生活の中で出会うちょっとした幸せ、いつもしていることで得られる幸せ、すでに自分がもっている様々な幸せなどです。
 そういう「小さな幸せ」に気づけるかどうか、実際に多少とも幸福感を得られるかどうか、その幸福感に価値があると思えるかどうかが肝心なのです。

「小さな幸せ」から得られる幸福感は小さいかというと、そうでもありません。
 自分が大好きなもの(事/人/物)に関わっている時や、人がしてくれたちょっとした事や、思わぬいい事があった時などには、けっこう強い幸福感を感じられることがあります。ふだん当たり前に思っていること(たとえば、まわりの人の存在や健康や自由など)にしみじみと幸せを感じられることもあります。
 同じことでも、人によって感じられる幸福感の強さは違います。幸せを感じる能力が高い人のほうが、それだけ強い幸福感を得ることができます。
 幸せを感じる能力が足りない人は、たとえ大きな幸せに出会うことができても、それを素直に十分に味わうことはできないでしょう。

「小さな幸せ」でもそれを感じられること自体が幸せなことなのですが、それ以外にもいいこと(価値)があります。
 幸福感は心の栄養になると思うのです。幸せを感じられることで、心の中が明るくなったり元気になれたり安らいだりします。それは気分転換や何らかの癒しにもつながるのでしょう。幸せを感じることは心の健康に(おそらく、体の健康にも)いいのだと思います。
 何か大きな悩みや問題を抱えていても、生活の中に幸せを感じられる時間があれば、疲れきらずになんとかふつうに生活を続けられます。精神的にきつい時ほど、「小さな幸せ」を感じる時間を大切にしたほうがいいのです。幸福感は心の栄養になるのです。

「小さな幸せ」の価値を理解できない人も多いでしょう。「そんなことが本当に幸せなのか」「そんな小さな幸せなんていらない」などと考える人もいると思います。
 そういう人はなかなか幸せにはなれないでしょう。なれたとしても、その幸せは長くは続かないと思います。

「小さな幸せ」を大切にできるようになれば、日々いくつもの幸せを感じられるようになり、それだけで相当に幸せに暮らせるようになれるでしょう。
 と言っても、「小さな幸せ」だけでいいとはふつうの人はなかなか思えません。時々は「中ぐらいの幸せ」を感じたいし、たまには「大きな幸せ」を感じられたらなおいいでしょう。

 でも、「中ぐらいの幸せ」や「大きな幸せ」を日々感じることは難しいでしょう。
 日々幸せに暮らせるようになるためには、「小さな幸せ」が不可欠だと思うのです。

   

「幸せについて」目次

幸福論のページ

幸せのホームページ