読書日記

  一つ一つ、少しずつ

 『老子』(小川環樹・訳注)をヒントに考える“幸せの道”。

幸せの道を歩む人は、あふれるほどの幸せは欲しない。
 あふれることがないからこそ、少しずつ幸せになっていける。
 だから、他の道を探すことなく、幸せの道を生涯進んでいける

  (『老子』第15章「保此道者、不欲盈、夫唯不盈、故能蔽不新成」)

 あれもこれもと多くの幸せを欲する人は、得られる幸せよりも得られない不幸のほうが多いでしょう。
 大きな幸せだけを欲する人は、なかなか幸せを得ることができないでしょう。やがてあきらめて、不幸になる人も多いでしょう。
 すぐにすごく幸せになりたいと欲する人は、そうはいかずにすぐに不幸な気もちになるでしょう。

 幸せはたくさんあります。でも、一時に感じられるのは一つの幸せだけです(次から次へと幸せをつなぐことは可能)。今ある幸せを「一つ一つ」感じながら、欲する幸せを「一つ一つ」得る努力ができるといいのでしょう。
 大きな幸せはそう簡単に手に入るものではありません。得るためには、それなりの努力と時間(と)が必要と考え、マイペースで努力を続けることが大事でしょう。
 一時的に強い幸せを感じられる時はあるでしょうが、日常的な幸福度が急上昇することはないでしょう。幸せになる努力を続けることで「少しずつ」幸福度を高めていけるのだと思います。

 幸せになるためのキーワードは「一つ一つ、少しずつ」です。
 焦ることはありません。「一つ一つ、少しずつ」がいいのです。それが現実的な幸せの道の進み方です。でも、少しずつ幸せになっていけるのは、とても幸せなことだと思います。それは、いつでも「今がいちばん幸せ」と言える生き方でもあります。
 それに、幸せはたくさんあるし、幸せに限りはないのです。生涯少しずつ幸せになっていけるのが幸せの道です。



   

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