「幸せについて」
その41 いろんな幸せをつなぐ

「一つの幸福感には限りがある」
 一つの幸せを感じるのは一時です。どんな幸福感もそれほど長続きはしません。幸せな出来事に対する幸福感はその時だけです。自分がもち続けている幸せについても四六時中その幸福感を味わうことはできないでしょう。

「一つの幸せだけでは幸せに暮らせない」
 自分が求める一つの幸せを得ることができても、それだけではずっと幸せに暮らすことはできないでしょう。
 人間には慣れや飽きがあります。自分がもっている幸せには慣れてしまい、それが当然のことと思ってしまいがちです。その幸せを失ってみて、改めてもしくははじめて、その大切さに気づくことがよくあります。たとえば、仕事、身近にいた人、健康などです。

「幸せをつないでいく」
 一つの幸福感は一時的なものですが、違う幸福感をつないでいくことで、幸福感を持続させることができます。一つの幸福感が残っているうちに次の幸せを感じればいいのです。
 幸せはたくさんあります。小さな幸せとの出会いに気づけるようになれば、幸せを感じられることはいろいろあります。自分が今もっている幸せもたくさんあります。そういう幸せを一つ一つ数える(幸せに思う)ことで、幸福感をつなぐことができます。

 私は外を歩いている時には、幸せをつなぐことが習慣になっています。
 自然(草花や木々の緑、鳥や虫などの動物、風、月や星)や人(かわいい子供、素敵な人、微笑ましい親子連れやカップル)などの目に見えたり感じたりできること、深呼吸や背伸びや鼻歌などの動作、自分が今もっている幸せを数える、自分の夢や愛に関する幸せになれることを考えるなど。
 これらを一つ一つ幸せを感じながら続けていくと、だんだん幸せな気分が確かになってきて、「すごく幸せだなぁ」と思えます。

 幸せをつないでいくとそのうちにネタが切れると思われるかもしれませんが、そうでもありません。同じ幸せが何度でてきてもいいのです。いくつかの幸せを巡って感じれば幸福感を持続することができます。

 食事を例に考えてみるとわかりやすいかもしれません。
 ご飯だけではすぐに飽きてしまうでしょう。おかずがあるから飽きないのでしょう。好きなおかずが多ければ、それだけ食事を楽しめます。種類(味や素材や食感など)が違うおかずの組み合わせならバラエティがあっていいのではないでしょうか。
 食事をする時にはいろんなおかずがあれば、ご飯をはさんで違うおかずを順番に食べると思います(中には、好きなものを先に食べたり、後に残したりする人もいますが)。そのほうが飽きないし、いろんな味が順番に味わえていいのでしょう。

 幸福感もいくつかの幸せを順番につないでいくとあまり飽きないものです。感じられる幸せの数と種類が増えれば、なおさらです。
 また、ご飯を毎日食べても飽きないように、毎日感じても飽きない幸せがたくさんあります。同じ幸せを毎日、「幸せだなぁ」と思う習慣や、感謝する習慣が身につけば、それだけでもけっこう幸せに暮らせるようになれます。

 幸せはたくさんあるのです。自分が幸せを感じられるメニューが増えれば、それだけいろんな幸せを味わえるようになります。それらの幸せを順繰りにつなげるようになれば、幸せを感じられる時間がさらに増えます。

 幸せをつなぐことを一日中続けることはできないでしょうが、一日の中に1時間でも30分でも、幸せな気もちを持続できるようになると、幸せを確かに実感できるでしょう。
 幸せを飛び飛びにつなぐ感じでも、けっこう幸せに暮らせていると思えるようになれるでしょう。

   

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