くよくよしない考え方
「くよくよする性格を直したい」という人がいます。
“くよくよ”してしまう、傷つきやすい、すぐに落ち込んでしまうなど、不幸になりやすいのは「性格だから」。
でも、性格は生まれもったものだから変えることはできない、くよくよする性格は直しようがない、などとあきらめてしまう人も多いでしょう。
“くよくよ”してしまうのは、「性格というよりも、そういう考え方のクセ(習慣)」と考えたほうがいいでしょう。
確かに、その人の根の性格というのは変えられないのだと思います。また、考え方に性格が影響するのは確かです。でもそれはほんの一部のような気がします。
逆に、考え方をちょっと変えたら、性格が変わったように感じられるかもしれません。
1章 小さいことでくよくよしない考え方
2章 人にイライラしない考え方
3章 決断で迷ってくよくよしない考え方
4章 終わったことでくよくよしない考え方
5章 将来への不安でくよくよしない考え方
6章 人間関係でくよくよしない考え方
7章 「弱い自分」でくよくよしない考え方
8章 生きることでくよくよしない考え方
9章 大きい悩み・問題に対するくよくよしない考え方
10章 くよくよしない考え方ができない、とくよくよしない考え方
“くよくよ”は悪循環になってしまうことがよくあります。そうなると生活全体に大きな悪影響を与えてしまいます。
「くよくよの悪循環」には、次のようなパターンがあります。
イヤな出来事があってくよくよしてしまい、それが悩みになる。
悩みの原因が「自分のせい」だと考えると、自分を責めてくよくよしてしまう。「自分を変えたい」と努力しても、なかなかうまくいかずにくよくよしてしまう。
悩みの原因が「人のせい」だと考えると、人間関係で悩みくよくよしてしまう。
悩みの問題について、考え過ぎたり悪い想像をすることで、悩みを大きくしてくよくよしてしまう。
悩みの解決を目指すが、すぐには解決できずにくよくよしてしまう。
改善するための行動を起こしても、それがうまくいかずにくよくよしてしまう。
悩みで悪い気分になり、気分に流されて悪いことをしてしまい、新たな問題が発生してくよくよしてしまう。
仕事や人間関係などにも悪い影響がでてしまい、くよくよの材料が増えてしまう。
悩んでしまう今の自分になってしまった原因を「過去の出来事や親や人のせい」だと考えると、自分ではどうしようもなくてくよくよしてしまう。
悩みを「自分の性格やコンプレックス」とくっつけて考えてしまうと、問題が大きくなり、さらにくよくよしてしまう。
気分転換や健康維持ができなくなり、心身の調子が悪くなる。
生活を愉しむことができなくなる。そのような生活にくよくよしてしまう。
このような悪循環に陥らないための対策として、大きく分けて次の四つが考えられます。
一つめの対策は、問題化しないこと。
何かイヤなことがあっても、「まぁいいか」「こういうこともある」などと軽く済ませる。
ちょっとしたことは軽く受け流す。
その後に思わず考えてしまった場合には考えを切り替える。
「このままでもいいか」「このままでもいいよ」などと問題にしなければ(解決・改善の必要もなく)、悪循環に入らなくて済みます。
二めの対策は、現実的な目標設定をする。
「こんな人もいる」「してくれないのは当たり前」などと人を変えようとする(変わるのを期待する)のはやめる。
「今はできないけど、努力すればできるようになる」などと、自分を変えることは時間がかかるもの、改善策もすぐには思いどおりにはいかないものと覚悟する。
三つめの対策は、悪循環の考え方をしないように心がける。
「なんになる?」「こんなことのためにくよくよするのはもったいない」「こんな人のためにイライラするのは損だ」などと、“くよくよ”“イライラ”の価値を認識する。
「私にはこういうくよくよするクセがある」と悪循環の考え方のパターンやクセを知る。
「堂々巡りはやめよう」「あとで考えよう」などと悪循環をストップする。
四つめの対策は、今の生活を大切にする。
「いっしょにいない時には、イヤな人のことは考えない」「悩みがあってもそりなりに暮らす」ことを心がけ、一つの悩みのために生活を台無しにしない。
やるべきことをちゃんとやり、心身の健康管理に気をつけ、新たな大きな問題を発生させないようにする。
「今を愉しむ意識」をもち、「不幸を数えて暮らすより、幸せを数えて暮らそう」などと、できるだけ気分よく生活することを心がける。