生きるヒント 「なんのために生きるのかわからない」
「人はなんのために生きるのか?」や「生きる価値は?」や「幸せって?」や「自分はどう生きればいいのだろう?」などと考えることは、いいことだと思います。
ただし、「考えることはいいこと、でも考えすぎは・・・」です。それらを考えることで苦しんだり、生きる意欲を失ってしまうようでは困ります。
これらの哲学的問題を考えることを楽しめたら、と思います。
「なんのために生きるのかわからない」という問題について、いろいろと考えてみたいと思います。
1.どのように悩むのか
2.生きがいと幸せ
3.幸せな人生
4.自分の存在価値
5.「なんのために生きるのか」の答え
1.どのように悩むのか
(1)どんな事柄・状況で悩むのか
・ 生活が楽しくない、不平・不満がある、寂しい。
・ イヤなことがあった、うまくいかないことがある。
・ 人の幸せな部分を見て。
人は幸せそうなのに自分は・・・、できる人がいるのに自分は・・・、
人は持っているのに自分は・・・
・ 将来の不安、心配事、死の恐怖。
・ 自分の生活に疑問。
平凡な生活?、人と同じ生き方?、無目的な生き方?、
今やっていること(仕事や勉強など)の価値?
・ まわりの人の生活に疑問。
人(親など)を見ても幸せに見えない、金・物・地位を求める生き方?
・ 社会に対する疑問
学歴偏重、競争、組織優先、・・・
・ 自分の将来に対する疑問。
先の見通しが幸せに思えない、将来得ようとするものに価値を感じない
(2)哲学的な疑問
・ [人(または自分)は]何のために生きるのか? (生きる目的)
・ なぜ生きなければならないのか? (生きる意味)
・ 生きることにどんな価値があるのか? (生きる価値)
・ どう生きればいいのか? (生き方)
・ 自分はなんのためにいるのか? (自分の存在価値、自分の必要性)
・ どうしたら幸せになれるか? (幸せになる方法)
(3)否定的な考え
・ 自分は幸せに暮らせない。
・ 自分には何もできない。
・ 自分には価値がない。
・ 人生に何も希望がない。
・ どう生きたらいいか永遠にわからない。
(1)に対して
生きていく中ではいろいろなことがあります。それぞれの事に対して、自分が幸せでいられるように対処していくしかないのではないでしょうか。何も問題のない人生などはありません。「問題の中に生きがいが生じ、不幸があるから幸せが際だつ」ということもあると思います。
一つの問題を人生のすべてと思い込んではいけません。生きていく中には幸せなこともたくさんあります。「不幸を数えて暮らすより、幸せを数えて暮らそう」。
(2)に対して
哲学的な疑問を持つのは、まじめで向上心のある人なら当り前だと思います。そういうことを考えながら歩くのが人生なのかもしれません。自分なりの答えを出してもいいし、答えが見つからなくてもいいと思います。わからないことがあってもいいのです。
もし、自分の答えが見つからないと気がすまない人は、ひとまず「幸せを感じるため」という一つの答えを受け入れ、「幸せに暮らす」ことを心がけてみてはどうでしょうか。私たちが「幸せに暮らしたい」と願っていることは事実なのですから。
(3)に対して
自分の否定的な考えを真実と思い込んではいけません。私たちのわかることなどたかが知れています。自分の出した否定的な答えは間違っているのではないでしょうか。
自分の可能性だって、自分にはわからないはずです。自分の限界なんてわかるわけがありません。自分がまだ知らない自分の可能性がたくさんあるはずです。それを探し求めることが大事ではないでしょうか。
2.生きがいと幸せ
「なんのために生きるのか?」「生きる価値は?」のような疑問に答え、悩みを解消するのに役立つのが「生きがい」だと思います。
「生きがいは幸せの一種」です。また、生きがいと幸せは、同じところにあります。幸せを感じた時に、「生きていてよかった。生きているかいがある」と思うことができます。「生きているかいがある」と生きがいを感じられることが幸せでもあります。
しかし、幸せの中には生きがいを感じやすいものと感じにくいものがあります。
大きな幸せのほうが生きがいを感じやすいでしょう。
自分のことよりも人を幸せにできること、それも多くの人を喜ばせることができることには、生きがいを感じやすいと思います。
また、自分にしかできないようなことも生きがいを感じやすいでしょう。
そして、何よりも生きがいを感じることのできるものは、将来にわたって持ち続けることのできる幸せである必要があります。生きがいは明日も持ち続けられるものでなければなりません。夢や目標は、将来の大きな幸せの可能性に対して、幸せの予感と目標達成への過程で味わうことのできる様々な幸せが続きます。このように、生きがいは継続する幸せなのです。
だから、生きがいを持つことは長い間の幸せを得ることになります。
ただし、「生きがいがありますか?」と聞かれれば「ある」と答える人でも、自分の生きがいを実感する時がなければ、イキイキとはりあいを持って幸せに暮らすことはできません。そのためには、自分の生きがいを確認することと、その中で幸せを実感する習慣を持つことが大事です。
今、「生きがいがない」という人は、「生きがいがない」を読んでみてください。
また、「生きがい」のページも参考になると思います。
私は今まであまり生きがいを感じることはありませんでした。これからは、「この人生の中でたくさんの幸せを味わえること」を第一の生きがいとして、幸せを感じた時には「生きていてよかった」「これからも幸せをたくさん感じて生きていこう」のように考えて、生きがいを感じられるようにしたいと思います。
私と同じように「幸せを感じられること」を生きがいにできると、幸せも生きがいもたくさん実感できると思います。それに、これなら誰にでも持てる生きがいでしょ(?)。
第3回 幸せな人生
「なんのために生きるのかわからない」と悩む時に、まず考えたほうがいいことは自分の人生についてです。
人生とは、人間が生まれてから死ぬまで。当り前のことですが、「自分が生まれたこと」と「自分の死」について考えることで、不幸になる人も、生の充実を心がけて幸せになる人もいます。
「死」については、「死について悩む」を参考にしてください。
しかし言うまでもなく、いちばん大事なのは生きている間です。生きることに関して様々な考えをしてもしなくても、誰もが望むのは「幸せな人生」でしょう。
幸せは人それぞれ。だから「幸せな人生」も一人ひとり違っていいのです。
ここで、私が一つの「幸せな人生」を提案します。
「日々小さな幸せをいくつも感じ、時々中ぐらいの幸せを感じ、
たまに大きな幸せを感じられる可能性がある人生」
私は、「こういう人生が送れたらいいな、すごく幸せな人生だろうな」と思っています。
ここで、「日々」は「毎日」、「時々」は「週に数回(のこと)から年に数回(のこと)」、「たまに」は「何年かに1回」くらいに考えています。
(1)日々小さな幸せをいくつも感じるために
あなたは、毎日小さな幸せを感じて暮らそうとしていますか?
幸せを感じられるようになるために努力し、気分よく生活することを心がけましょう。
あなたは、「いつか」や「将来のため」などとばかり考え、今の幸せを感じることを怠って生活していませんか?
将来の夢や目標を持って生きることは、幸せになる方法の1つです。ただし、日々の幸せとして目標達成への過程を楽しむことを忘れないでください。
(2)時々中ぐらいの幸せを感じるために
あなたは、自分が幸せを味わえることを考えて、自らそれを実践しようとしていますか? 自分で自分を幸せにしようとしていますか?
幸せになれる計画をしましょう。たとえば、旅行、博物館や遊園地へ行く、映画やスポーツを観に行く、パーティや同窓会の企画、祭りなどの地域や学校の行事に参加する、ボランティアをする、好きな人と会う、おいしいものを食べに行く、等々。
そのために自分から人を誘うことも幸せになる方法です。
あなたは、うまくいかないこと(ケース、事情、理由)や失敗などをすぐに考えてしまい、やりたいことをほとんどやっていないのではありませんか?
中ぐらいの幸せを自ら感じるためには、ある程度のリスクはつきものです。だからこそ、うまくいった時に幸せを感じることができるのです。
あなたは、自分の夢のために、現実に活動していますか?
イキイキと前進していますか?
夢や大きな目標を達成するためには、当面の小さな目標を作りましょう。小さな目標達成で中ぐらいの幸せを感じることができます。その積み重ねが大きな夢には大事なのです。
あなたは、人から何かしてもらえないと幸せになれないと考えていませんか?
中ぐらいの幸せを感じるために一番いいのは、自分が人を幸せにすることを考え行動することです。人が喜んでくれる姿を見ると(想像すると)、幸せを実感しやすいのです。
人を愛する幸せを感じられるようになれたらと思います。
(3)たまに大きな幸せを感じられるために
あなたには、将来の夢がありますか?
今自分の夢がない人は、自分の夢を探すことを当面の目標にしましょう。一生懸命に探し続ければ、きっと見つかるはずです。
今夢をもっている人は、夢に向かって今できることを着実にやりましょう。前進している限り、夢が実現する可能性を信じることができます。
多くの人の幸せに貢献できることは大きな幸せです。
夢をもって生きられること自体が大きな幸せだと思います。
「幸せな人生」について私なりに書いたら、「幸せになる方法」の紹介になってしまいました。でも、このような幸せな人生を送りたいと思いませんか?
あなたに今足りない幸せはどのくらいの大きさの幸せでしょうか?
そのためには何をすればいいでしょうか?
あなたは、ただなんとなくや、日常生活に追われて生きていませんか?
たまには、自分の幸せや生き方について考え直してみてください。
「幸せな人生」を目指し、それができる自分を育てるように努力しましょう。
4.自分の存在価値
「自分の存在価値」を問い、「自分は生きている価値がないのではないか?」と苦しむ人がいます。
一つの理由は、「生きている実感がない」ためだと思います。
もう一つの理由は、自分を価値ある人間としたい、という思いがあるからだと思います。平凡な生き方、人と同じではイヤだ、というような考えです。
ふつう自分の存在価値として考えるのは、次の3つが多いと思います。
(1)何かを残すこと
自分の存在を示す何かを残すことが自分の生きた証になるという考え方です。多くの人は、仕事で何かを成し遂げることを考えます。
その結果、自分の存在が記録や記憶に残ることを望む人もいます。
人間として自分の存在の証を残すものとして考えられるのは子供です。自分の子供を残すことは、自分の命を後につなぐことと考えられます。
(2)自分を発揮すること
自分の天分を知り、それを活かすこと。
自分らしさを出すこと。人と違うこと、人にはできないことをすること。
これらを自分の存在価値と考える人もいます。
(3)人や社会の役に立つこと
自分が社会の中で何らかの貢献をしていることを自分の存在価値と考えることができます。
人の役に立ち、人に喜ばれ、人に必要とされることで、自分は生きている価値があるのだ、と考えることもできます。
(1)(2)に関して、人に評価されること、有名になることを自分の存在価値と考える人もいます。
この3つのことを、すごいこと・難しいことと想像する人がいると思います。たった1人の記憶に残ることだって、1つの得意なことだって、1人の役に立つことでもいいのです。小さな存在価値はたくさんあるのです。
あなたが突然いなくなってしまったら、悲しむ人が必ずいます。誰にも存在価値はあるのです。それを実感することは難しいのですが・・・
ここで私はもう1つの自分の存在価値を提案します。
(4)自分の幸福感
価値をきめるのには評価が必要であり、そのための基準がいります。人からの評価や客観的な評価も自分にとってはあいまいです。
そこで、自分の幸福感を基準とします。自分が「幸せだなぁ」と思うことができれば、自分は生きている価値があり、自分にとっての存在価値がある、と考えることです。
自分の存在価値は自分で決めればいいのです。それも幸福感という主観的な実感で決めます。
「人が何と言おうと、自分は幸せだと思っている本人は幸せです」
そうすることで誰もが自分の存在価値を確認でき、逆に存在価値を増やすためには幸せをたくさん実感すればいいのです。
幸せの実感 = 自分の存在価値
5.「なんのために生きるのか」の答え
「なんのために生きるのか」には、「人(間)は」と「自分は」の2つがあります。
(1)人はなんのために生きるのか
この問いに対して明確な答えはなかなか見つかりません。
私は、「わからない」と答えていいと思います。わからないから探すのです。「答えがない」とは思いません。それを求めたい人は探し、必要でなければ探さなくてもいいと思います。
「どうしても答えがほしい」という人には、1つの答えを提案します。
「幸せを感じるため」
という答えです。
人は幸せを感じた時に、「幸せだなぁ。生きててよかった。生きているかいがある。これからも幸せを感じるために生きていこう」と思うことができます。幸福感は、生きる価値・生きがい・生きる目的につなげることができます。
この答えは間違いではないと思います。
(2)自分はなんのために生きるのか
この問いに対しては、人それぞれにいろいろな答えがあっていいと思います。
「何かのために生きたい」と思える"何か"があればいいのです。
夢、目標達成、生きがい、仕事、何かを手に入れる、
愛、家族、誰か、人の役に立つ、社会に貢献する、
いろいろな経験をする、生活を楽しむ、等々。
そのために生きたいと自分が心から思えれば、何でもいいと思います。
1つでなくてたくさんあってもいいし、時とともに変わってもいいと思います。新たな自分の生きる目的を見つけながら生きればいいのです。
もちろん、「幸せを感じるため」「幸せに暮らすため」に生きるという答えは、誰の答えにもなります。私の一番の生きる目的は、「幸せに暮らすため」です。
自分はなんのために生きるのかわからない、夢が見つからない、やりたいことがわからない、と言う人は、いろいろなところ(場所、人、本・テレビ・映画など)を時間をかけて探し回ればいいのです。
あきらめずに探し続ければ、自分なりの生きる目的がきっと見つかると思います。
「幸せを感じるために生きる」という答えは、「当り前ではないか、人は誰でも幸せを望んでいる」と考える人も多いと思います。
当り前の事をしようとしないから、当り前の事ができないから、「なんのために生きるのか」と悩むのかもしれません。
では、どうしたら幸せになれるか、を書かないと納得できない人もいるでしょう。このホームページは、どうしたら幸せになれるかを考えるためのものです。あなたの幸せになる方法を考えるお役に立てれば幸いです。
「なんのために生きるのか」と考えてその答えが見つかったら、それをきっかけにその目的のために一生懸命に努力してみましょう。
もしまだ、自分の答えが見つからない人は、「幸せに暮らす」ことを生きる目的としながら、自分なりの生きる目的を探し続けることをおすすめします。
「人生の目的」「幸せになれない」も参考になるのではないかと思います。