読書日記
有福<惜福<分福<植福
『努力論』(幸田露伴)より、
有福は祖先の庇蔭に寄るので、尊むべきところはない。惜福の工夫あるに至って、人やや尚(たっと)ぶべしである。分福の工夫を能くするに至って、人いよいよ尚ぶべしである。能く福を植うるに至って、人真に敬愛すべき人たりというべしである。
福を有する人はあるいは福を失うことあらん。福を惜しむ人はけだし福を保つを得ん。能く福を分つ人はけだし福を致すを得ん。福を植うる人に至っては即ち福を造るのである。
植福なる哉。植福なる哉。
自分に有る幸福はいろいろあるでしょう。
親や祖先からもらった幸福、人生の中で出会えた幸福、自分の力で得た幸福、誰もがもっている幸福、・・・。
自分では気づいていない有る幸福もけっこうあるのではないでしょうか。
自分のまわりに有って良かった物(無いと困る物)、自分がふつうにできること(できないとつらいこと)、まわりにいてくれる人(いないと困る人)、・・・。
できるだけ自分の幸せに気づき、時には幸福を感じられるようになれるといいでしょう。
また、自分がもっている幸福は大切にしたほうがいいでしょう。
たとえば、小さな幸福を大切にする、まわりの人を大切にする、時間を大切にする、自分にとって大切なもの(事・人・物)を大切にする、・・・。
自分に有る幸福を安易に失わないように気をつけることも大事でしょう。
自分の幸福を増やすこと(「増福」?)ができたら、なおいいでしょう。
そのために、幸せになれることをする、幸福との出会いを求めて行動する、夢(幸せの目標)をもって努力する、・・・。
そして、自分の幸福を人に分ち、大切な人を幸福にし、さらには多くの人の幸福に貢献することができるようになれたら、その人はすごく幸福になれるのではないでしょうか。