存在しないものを、すでに存在するものと考えるな。それよりも現存するものの中からもっとも有難いものを数えあげ、もしこれがなかったら、どんなにこれを追い求めたであろうということを、これに関して忘れぬようにせよ。しかし同時に、これをたのしむあまり重要視しすぎる習慣に陥り、そのためにこれがなくなったら気も顛倒してしまうようなことにならないように注意せよ。