読書日記

  有難いものを数える

 『自省録』(マルクス・アウレーリウス)より、
 存在しないものを、すでに存在するものと考えるな。それよりも現存するものの中からもっとも有難いものを数えあげ、もしこれがなかったら、どんなにこれを追い求めたであろうということを、これに関して忘れぬようにせよ。しかし同時に、これをたのしむあまり重要視しすぎる習慣に陥り、そのためにこれがなくなったら気も顛倒してしまうようなことにならないように注意せよ。
 「××たらどうしよう」などと未来のことを考えても不安な気もちになるだけです。
 まだ存在しない問題でくよくよしないほうがいいのでしょう。

 それよりも現存する幸せを数えることで、幸せを感じるほうがいいのでしょう。
 「もしこれがなかったら?」「もしこの人がいなかったら?」「もしこれがやれなかったら?」などと考えてみれば、それが存在する幸せに気づけることがたくさんあるでしょう。
 「○○があってよかった」「ありがたいなぁ」「幸せだなぁ」などと思うようにすれば、日々幸せを感じられるようになるのです。

 ただし、存在する一つの幸せにとらわれて、失うことを怖れたり、失ったときに不幸になったりしないようにしたほうがいいのでしょう。
 得られる幸せもあれば、失う幸せもあるのです。一つの幸せを失ったからといっても、すべての幸せを失ったわけではないのです。
 「幸せはたくさんある」と思えるようになれるといいでしょう。

 今ある幸せの一つ一つを大切に生きられるようになるといいのではないでしょうか。



   

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