読書日記

  生死に振りまわされない

 『わたしの般若心経』(松原泰道)より、
 不生不滅(生ぜず滅せず)は、永久に死なないという意味ではありません。「生と死を相対的に考えて、生をよろこび死を嫌うという境地を超えるなら、生死に振りまわされることはない。それが生き死にの空の相である」というのです。
 それはそのはずです。とくに、死の場合、死を恐れ悩む感情は容易に整理されませんが、努力して整理することができたなら、死はあってもないのと同じでしょう。それを不生不滅というのです。
 世の中には「生死」など、何も考えずに生きている人もたくさんいます。それで幸せに生きられるのなら、それでもいいと思います。
 一方、死について考え、恐れたり悩み苦しんだりしてしまう人もいます。死という結末を考え、生を空しく思ってしまう人もいます。
 そのような生死に関する不幸になる考え方に振りまわされないほうがいいのでしょう。

 人間は誰でもいずれは死ぬ、という現実を受け入れることで、恐れの気もちを小さくできるといいでしょう。
 さらには、死があることを自覚することで、限りある生を大切に思えるといいでしょう(死を想う=>生を感じる)。

 そこからこの生を大切にするためには、どうしたらいいかを考えられるといいのではないでしょうか。
 そのためには自分を大切にする(自分の身体(健康・命)を大切にする(自分を守る)/自分の心を大切にするやりたい気もちを大切にするどういう心でやれるか自分を助ける)/まわりの人を大切にする自分の人生を大切にする時間を大切にするやりたいことをやる)/自分を育てる自分を強くする幸せになる能力を向上させる)/自分を幸せにする・・・)ことを考え、実践できるようになるといいでしょう。

 また、時間の余裕があるときに、自分の幸せ・生活・生き方を考え直すなんのために生きるのかを考える、生きているうちにしたいことを考える、というようなことをしてみるといいのではないかと思います。

 生死に振りまわされることなく、できるだけ幸せに生き、幸せに死を迎えられるといいのではないでしょうか。



   

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