読書日記

  幸福の本質

 『「裸のサル」の幸福論』(デズモンド・モリス)より、
 幸福の本質はしばしば誤解されていて、「満足」や「心の安定」などと混同されることがあります。「満足」は人生がうまくいっている時の「気分」であるのに対し、幸福は人生が突然好転した時に我々が体験する「感情」である。
 強い幸福は「変化」と密接な関係があるため、長続きするものではありません。むしろうつろいやすいものです。
 「幸福は感じるもの」、つまり、幸福感という「感情」を伴うもの、という考え方です。
 どんなに幸福そうに見えても、本人が幸福を感じていなければ、その人は幸福ではないのです。

 すべての感情は一時的なものであり、長続きはしません。幸福感もそうです(いろんな幸福をつなぐことで幸福感を持続し、高めることはできます)。
 特に強い幸福感には短時間のものが多く、うつろいやすいものと思われるでしょう。
 これに対して、比較的持続しやすいのが、穏やかな心静かな心平和な心など、よい気分とも言えるものです。私はこれらも広い意味での幸福感だと考えます。

 「満足」というのは認識です。同様な認識が「自分は幸福」「今は幸福」などと思えることです。
 幸福になるためには、「自分は幸福」という幸福の自覚をもてるようになることが大事だと思います。どんなに恵まれた環境で暮らしていても、本人が「自分は幸福だ」と思えなければ、その人は幸福ではないのです。
 幸福の自覚があれば、「幸せだなぁ」と思うことで(狭い意味での)幸福感を感じることができるのです。

 幸福の本質は、出来事や状況や環境ではなく、幸福感という「感情」です。
 幸福になるためには、心(幸福感)を大事にできるようになることが肝心なのではないでしょうか。



   

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