読書日記

  13 消極的幸福(苦悩者)

 『「裸のサル」の幸福論』(デズモンド・モリス)より、
 この見方を炊き付けたジークムント・フロイトはこういっています。「人は不幸を取り除くことによって幸福を得ようとする」。
 悲しい真実ですが、幸福の絶頂というのは長くは続かないもので、惨めな不幸の方がずっと長続きします。
 不幸を取り除こうとするのは当然のことです。
 不幸(な状況と気分)は長く続きやすいでしょう。不幸の悪循環に陥ってしまうこともあります。
 不幸の要因を取り除くことで、長い平穏な時間を手に入れることができれば、それは幸福なことです。

 不幸でない幸福というのもあると思います。
 できるだけ不幸にならないようにすることも幸福になる方法の一つです。

 ただし、自分には取り除けない不幸を取り除こうとしても余計に苦しむだけです。問題解決には現実的な目標をもつことが大事です。
 取り除けない不幸・解決できない問題の場合には、問題があっても(それなりに)幸福に暮らすことを目標に努力したほうがいいでしょう。

 解決可能と思われても、その問題があってもそれなりに幸福に暮らせるのなら、困難な問題解決より幸福になれることに限られた自分の時間とエネルギーを使ったほうがいいのではないでしょうか。
 また、不幸にならない生き方より、幸福になる生き方を心がけたほうがいいのではないかと思います(攻めと守り)。


   

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