読書日記

  14 化学的幸福(麻薬服用者)

 『「裸のサル」の幸福論』(デズモンド・モリス)より、
 たくさんの人々が、ある種の化学物質の助けを借りて幸福感を得ようとしてきました。麻薬の服用は数千年にわたって、幸福な心を得るための究極の手段として使われてきました。
 化学的幸福の問題を要約すると、短期的な幸福を求めて長期的な悲惨という代償を払う生活には何の利点もない、ということに尽きます。
 脳科学により、幸福感はセロトニンやドーパミンやβ−エンドルフィンなどの脳内物質(脳内麻薬/脳内モルヒネとも呼ばれる)の分泌による、と解明されています。
 それがわかるずっと以前から、幸福感を生む薬(化学物質)の服用が一部で延々と続いています。

 しかし、その弊害も強力で、いわゆる“麻薬”はほとんどの社会で法律によって禁じられています。
 その一方、精神科等での治療で“薬”として服用される化学物質もあります。

 幸せな気もちになれる“幸福薬”については、効果、副作用、費用、リスクなどの問題が考えられます。
 また、そういう安易な幸せになる方法でいいのか、本当に幸せになれるのか、のような疑問もあるでしょう。

 私の考えとしては、幸せはたくさんある、自分が幸せになる方法もたくさんある、そんな問題が多い方法を使わなくても、他の方法で十分に幸せになれる、です。
 少なくとも、法律で規制されているものは、人間にとって悪いものでしょうから、「自分だけは」そんなことはしない、と考えたほうがいいと思います。



   

次の日の日記

最新の日記

「裸のサル」の幸福論』デズモンド・モリス

ホームページ