精神科医のヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』は、戦後大ベストセラーとなり、今なお読み継がれています。これはナチスの絶滅収容所での著者自身の、そして人びとの心理を記録した、二十世紀の名著です。 人はどんなに絶望的な時にも、美しいものに感動するのです。そうした心を持ち合わせた、むしろ繊細な人のほうが生存率が高かった、と医師フランクルは観察しています。