10月11月の人生相談 「うまく人を愛せない」

 10月11月の人生相談は、「うまく人を愛せない」という問題について、いろいろと考えてみたいと思います。

  第1回 人を幸せにする幸せ[10/13]
  第2回 幸せと困難とリスク[10/20]
  第3回 期待と幸せにしたい人[10/27]
  第4回 好きになる人・好かれる人[11/3]
  第5回 愛することで重要なこと[11/11]
  第6回 自分を幸せにする[11/14]
  第7回 いい人間関係を築くために[11/27]
  第8回 愛の重み[11/30]


  10月第3週の人生相談 「人を愛せない
  10月第4週の人生相談 「愛が報われない
  10月第5週の人生相談 「結婚できない
  11月第1・2週の人生相談 「愛し方がわからない
  11月第3週の人生相談 「こうしてほしいのに


第1回 人を幸せにする幸せ
 私は、「人を愛する」でなく、「人を幸せにする」という表現を使っています。
 幸せになる方法として考えた場合、人に幸せにしてもらうのを待つよりも、自ら人を幸せにするほうがいいのです。また、「人を愛する」よりは「人を幸せにする」のほうが、わかりやすいと思います。

 人を幸せにすると自分が幸せになれるのです。
 人を幸せにすることは、たくさんある幸せになる方法の中の一種です。それを自分の幸せとして選択するかどうかは、あなたの自由です。
 人を幸せにすることを自分の幸せにできると、自分の幸せがいっぱい増え、幸せになりやすくなります。
 人を幸せにする幸せは、やましさのない、美しい幸せだと思います。
 人を幸せにする幸せを、あなたの幸せのレパートリーに加えることをおすすめします。それができるようになると、相当に幸せになれると思います。


第2回 幸せと困難とリスク
 人を愛することで多くの幸せを得ることができます。しかし、そこには困難とリスクがつきものです。これは、人を愛することに限ったことではありません。
 幸せを得ようとした場合、努力が必要であり、困難もあります。また、結果として求めるものが得られないリスクもあります。困難やリスクがあるから、得たときの幸せも大きいのです。
 人を愛する場合、自分の気持ちがうまく相手に伝わらなかったり、相手に拒絶される可能性もあります。

 困難とリスクを考え、その幸せを断念するのも1つの選択です。しかし、すべての幸せを断念したら、幸せにはなれません。ある程度大きな幸せを得たければ、困難やリスクのある幸せを選ばなければなりません。
 人を愛する場合、その相手によって変わります。自分が愛することで共に幸せになれる人が必ずいると思います。

(1)幸せの魅力について
 魅力があるから手に入れたいのです。そこには想像力が働いています。まだ手に入れていないものを幸せだと予想しています。私は"幸せの予感"と呼び、それも幸せの1つだと考えています。
 人は、魅力があればあるほど、意欲が湧き、積極的になれます。それが得るための努力の原動力になります。その力を高めるには、うまく想像力を働かせて幸せの予感をたくさん感じればいいのです。夢の実現をイメージするなどはその例です。
 うまくいかない想像ばかりしていたら、やる気がなくなっても当然です。
 人を愛する場合、その人が喜んでくれる姿、その人と幸せな時を過ごせる様子を、いいように想像しましょう。

(2)困難について
 実際に起こってもいない困難を恐れのはよくありません。確実に予想される困難には、今できる対策を講じるだけです。あとは勇気を持って行動し、実際に問題に直面したら、その時に考えるべきです。(このホームページの中にもきっと考えるヒントがあります)
 1つ1つ困難を経験していくことで、人間として成長できます。自分の成長は、将来の幸せに役立ちます。
 人を愛する場合、相手の反応を予想しすぎないほうがいい。人は自分の予想通りには動かないものと考えておいたほうがいいと思います。でも、自分の誠実な気持ちは、きっと相手に伝わると思います。

(3)リスクについて
 最悪な結果を受け入れることができれば、リスクを恐れることはありません。
 人を愛する場合、相手に拒絶されることもあります。それはそれでしょうがない。また次に愛する人が必ず現れます。
 人生という長い目で見れば、たいていのことは受け入れることができます。何もしないより、挫折の経験のほうがいいと思えます。

 幸せになるために、リスクを受け入れ、困難に取り組みましょう。人を愛することは、おすすめの幸せになる方法です。


第3回 期待と幸せにしたい人
 「人を愛する時は、見返りを期待するな」「無償の愛」などと、書かれた本がある。確かに、人を幸せにする行為自体を自分の幸せと考えられることは望ましい。
 でも、喜んでくれたり、感謝してくれたり、お返しをしてくれたりする相手の対応(見返り)が、私たちを幸せにしてくれるのも確かです。そのように自分を幸せにしてくれる人を、より愛することは自然のことです。

 私は、期待することは幸福感につながる、と考えている。もちろん、期待しすぎは不幸の素だが。

 愛の理想は愛し合うことです。一方通行の愛より、双方向の愛のほうが幸せに違いない。
 愛し合うことを目標とするならば、それを期待できる相手を選ぶことも幸せになる方法だと思う。自分を愛してくれる人、自分の好意を喜んでくれる人、人の愛に報いてくれる人、など。

 私は、幸せにしたい人を幸せにすればいい、と考える。万民を愛するというのは理想。現実問題として、八方美人より、限られた人を幸せにすることに力を注いだほうが幸せになれると思う。
 幸せにしたい人の選択は、ほとんどの場合、"好き"という気持ちによる。それ以外に、幸せにしがいのある人を見つけるのもいいと思う。自分が幸せにできると思える人、心から喜んでくれる人、人を幸せにする幸せを与えてくれる人、自分と愛し合えそうな人、など。
 いくら自分が好きな人でも、自分の愛に応じてくれない人は、幸せになるための愛の対象としてはふさわしくない。

 このようなことを考えてくると、逆に、人の愛を喜んで受けられる人、人の愛に報いられる人になることも大切だと思う。


第4回 好きになる人・好かれる人
 愛のいちばん大きな動機は、「好き」という気持ちだと思います。

 あなたはどういう人を好きになりますか?
 容姿の好み(顔、スタイル、身長、特定の部分、など)、性格(やさしい、明るい、おおらか、頼りがいがある、など)、条件(勤務先、学歴、収入・お金持ち、家族構成、住んでいる所、など)、行為(何かをしてくれる人、自分を好きだと言ってくれる人、自分を幸せにしてくれる人、など)、その他(雰囲気、会話が楽しい、頭がいい、趣味がいっしょ、など)

 人を愛したら愛されたい、好きな人に好かれたい、と考えるのは自然なことです。愛し合うことが望ましいのは明らかです。そのためには、相手に好かれなければなりません。
 ではもう少し好かれるようになるためには、どうしたらいいでしょうか?
 「好きになる・させる心理学」(斎藤勇・日本実業出版社)には、好きになる要因がいろいろと書いてあります。
 私は、好かれる人になるためには、自分を磨くことだと思います。それも自分が幸せになる能力を育てることなら、一石二鳥です。

 ここで、もう一度考え直してみましょう。
 あなたはどういう人を好きになりたいですか?(自分が選ばれる側にもなって考えてみてください)

 人を好きになる時に、どうしても欠かせない要素はあると思います。
 人を受け入れる能力が高くなれば、愛の対象となる人の範囲は広くなります。愛によってより幸せになれる可能性が高くなります。
 また、いい人に好かれるように、自分を磨きましょう。

 「人を幸せにする」のが好き・幸せと思えることも、愛の動機になります。


第5回 愛することで重要なこと
 「幸せになる方法」の中で、人を愛することで重要なこととして、次の5つを挙げました。

1.一緒にいて幸せを感じる
 自分の幸せは、相手に伝わります。人は幸せな雰囲気が好きだし、そういう場を作ってくれる人を好きになります。恐れ・疑いなどでイヤな雰囲気をつくるより、まず自分が幸せな気持ちになろう。そもそも愛する人と一緒にいるだけでも幸せなことなのですから。
 自分が幸せでいることが相手を幸せにする1つの方法です。

2.相手を信じる
 恐れ・怒り・疑い・嫉妬などでイヤな気分にならないように、まず信じよう。相手を、自分を、互いの将来を。その上で幸せになる考え方を心がけよう。

3.共有の将来の幸せを持つ
 もし長く深い愛を築こうと思うのなら、互いに共有できる将来の幸せ(夢や目標)を見つけましょう。それを相手に提案しよう。互いの将来の幸せを語り合えるようになれれば、共に幸せになれます。

4.相手の幸せを考える
 愛において、自分ができることは相手の幸せを考えることです。もし、愛し合える相手なら、相手が自分の幸せを考えてくれます。でもそれは相手のすることです。期待しすぎず、してくれたことには素直に喜び、感謝し、報いよう。
 愛する相手の幸せを考えること自体が自分の幸せです。

5.困難を共にする
 もし愛の過程で困難が発生したら、チャンスだと思おう。共に困難を乗り越えれば、強い絆がつくられます。
 相手の困難を自分たちの困難とできるのも愛です。

 これらは、5つの幸せになる方法をそのままヒントにした考え方です。愛について悩んだ時には、思い出してヒントとしてみてはいかがでしょうか。そして、ここでかいたように、「〜しよう」と自分にかけ声をかけてみよう。


第6回 自分を幸せにする(続・愛することで重要なこと)
 もう1つ愛することで重要なのは、自分が幸せであることだと思います。
 自分が幸せでないのに、人を幸せにすることは難しいと思います。もちろん人を幸せにすることで自分が幸せになれればそれでいいわけですが、その愛がなくては幸せになれないとしたら問題があると思います。
 その愛以外でも幸せになれ、ひとりでも幸せに暮らせる。愛によってさらに幸せを増すことができる。このような心の余裕があったほうが、人を幸せにでき自分も幸せになりやすいと思います。
 そこでここでは、「人を幸せにする」の「人(相手)」を「自分」に置き換えて考えてみます。

1.ひとりでいる時にも幸せを感じられる(一緒にいて幸せを感じる)
 ひとりの時の幸せになる方法もたくさんあります。ひとりの時には自由です。様々な自分の幸せになる方法の中から、選んで実践することができます。
 孤独は寂しいもの・不幸なことと決めつけないでください。ひとりを愉しめることも幸せになるためには大きいと思います。その中の1つの方法が、愛する人を幸せにすることを考えることです。

2.自分を信じる(相手を信じる)
 自分自身と、自分の将来の幸せを信じることです。未来の不幸を心配しすぎず、希望をもって生きることです。愛する人と愛し合える時を信じよう。

3.夢を持って生きる(共有の将来の幸せを持つ)
 「幸せになる方法」の3番めです愛に関する夢も自分を幸せにしてくれます。

4.自分の幸せを考える(相手の幸せを考える)
 幸せになれない人の多くは、自分の幸せを本気で考えていないのではないかと思います。自分の幸せを考えるのは当り前のことだし、本当はいちばん大事なことだと思います。
 自分の幸せを考える時間をもう少し増やしてみてはどうでしょうか。考えるヒントはいろいろなところにあります。このホームページの中にもあります。
 自分を幸せにできる人は、人を幸せにすることもうまくできる思います。

5.困難から逃げない(困難を共にする)
 困難から逃げてばかりいては、本当の幸せにはなれないと思います。困難があるほど、得た幸せは大きいのです。困難を乗り越えることで、自信を持て、幸せになる能力を向上できます。
 幸せになる能力を身につけ、幸せに暮らせるようになることが、本当の幸せになることだと思います。

 まず自分を幸せにし、さらに幸せになるために、余裕を持って人を幸せにしよう。


第7回 いい人間関係を築くために
 人を愛する過程ではいろいろなことがあります。人間関係には、問題がつきものです。愛し合っていても、互いに異なる人間です。意見や価値観が合わなかったり、ちょっとしたことで相手に不満を持つこともあります。相手に対して、「こうしてほしい」という要望も生まれます。
 かといって、そういう問題を恐れて親密な関係を避けていては、幸せな愛は育ちません。
 愛によって、より幸せを得るためには、いい人間関係を築き・保つことが大切です。

 相手が自分の思うようにしてくれないと、すぐに腹を立てるのは、自己中心的な考えによります。人は、みな異なり、それぞれの理由で行動し・生きています。それを知った上で、相手の立場になって考えられたり、自分と違う言動や考えを受け入れられることも大切です。

 1つの問題のために、その人間関係のすべてを台無しにしないほうがいい。小さな問題を過大に考えたり、過剰に反応しないほうがいい。そのために、人間関係を悪化してイヤな思いをし、さらには関係を壊してしまうことにもなります。
 重要な問題だとしても、あくまでも1つの問題として、それ以外はいい関係を保つことが大切です。いい関係の中で、うまく話し合うことで、互いに歩み寄れるのだと思います。
 人を理解する・信じる・許す・受け入れるというようなことが大切だと思います。

 いい人間関係を築くために一番いい方法は、相手を幸せにすることだと思います。その際に重要なことはすでに紹介しました。
 相手を幸せにすることができるようになるためには、まず人を幸せにすることが自分の幸せだと自覚することだと思います。義務感や、相手に好かれたいという思いなどでムリをしてやるよりも、自分の幸福感を得るために喜んでやれたほうがいいのです。

 誰もが愛されることを望んでいます。でも愛する(=人を幸せにする)ことを喜んでする人は少ないと思います。人は自分を幸せにしてくれる人を好きになります。いっしょにいて互いに幸せになれる人を愛します。結果として、愛し合うことになり、幸せな関係になります。

 人を幸せにすることが自分の幸せと思える人は、いい人間関係を築け、幸せになりやい。


第8回 愛の重み
 愛は人を幸せにしてくれますが、不幸になる人も多い。愛のために不幸になりそうになったら、愛の重みについて考えてみてはどうでしょうか。

(1)相手との重みのバランス
 自分がすごく愛しているのに相手はそれほど自分を愛してくれない、と嘆く人がいます。自分に対する強い愛を持っていない人、愛自体に対する関心が薄い人、愛し方を知らない人、などがいます。自分と相手の愛を比較するのは、不幸になる考え方になる場合が多い。

 自分があまり愛していない人から、過大な愛を押しつけられるのも迷惑です。
 愛は相手の幸せを考えることがいちばん重要だと思います。相手の気持ちを思いやることが大切です。自己中心的に愛する人は、相手の気持ちを思いやれません。
 その時に相手が幸せになれると思えることをしたほうがいい。場合によっては、相手を温かく見守ることかもしれません。相手の幸せを祈り、離れることが相手の幸せと考えられることもあります。相手の身になって相手の幸せを考えることが相手との愛の重みのバランスをとるいい方法だと思います。

 一生懸命に誠実に相手の幸せを考えたのなら、勇気を出して実践することが大切です。思っているだけでは、相手には伝わらないし、互いに幸せにはなれません。愛は、自分から働きかける幸せになる方法です。

(2)人間関係の中での重み
 生きていく中では多くの人と関わります。ひとりの相手に100%の自分を与えることはできません。100%捧げられても困ってしまう人も多いでしょう。相手との愛の重みのバランスを考えると、必要以上に相手のことを考えすぎるのは問題があります。
 愛する人が自分以外の人を大切にしていると感じて、嫉妬したり、悲しんだりしてしまうことがあります。ひとりだけを愛することは美しいことかもしれません。

 愛をもう少し広い、人を幸せにすることと考え場合には、多くの人を幸せにできたほうが自分の幸せも増えると思います。

 幸せにしたい人がたくさんいる人は幸せになりやすい。
 人によっていろいろな幸せを得ることができます。
 ひとりの人のことを考えすぎないですみます。
 多くの中から自分で選べます。幸せにできて、自分も幸せを感じられる人を選べばいい。

(3)人生の中での重み
 人を愛する(人を幸せにする)ことは、幸せになる方法の1種です。幸せになる方法は他にもたくさんあります。日々の生活の中での多くの幸せ、夢や目標の幸せ、生きがい・やりたいこと・チャレンジの幸せ、等々。愛をたくさんの自分の幸せの中の1つと考えられたほうが、余裕を持って幸せを味わえるのではないかと思います。

 人には出会いと別れがあります。愛にも終わりがあります。人生の中では様々な愛と出会います。1つの愛が終わっても、それはいい出会いと愛の経験(多くの幸せな時間)があったということだと思います。


 愛は大切にしたほうがいい。でもそのために不幸にならないほうがいい。
 とにかく、人を幸せにすることを自分の幸せとして、人を愛することでたくさん幸せを感じられることが大切です。

 「愛について」も参考になさってください。


   

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