しかしながら、正真正銘の不幸もかなりある。だが、想像力につい引きずられて不幸を人々がつけ加えるということもほんとうだ。君は毎日少なくとも一人は、自分のやっている仕事に不満を言う人に出会うだろう。彼の言い分にはかなりの説得力があるようにいつも見える。誰の人生にも多かれ少なかれ、大きかれ小さかれ不幸はあります。
しかしながら、次のことはよく知って欲しい。そういう言い分には際限がないこと、そして悲しみはさらに悲しみを生み出すこと。なぜなら、そうやって運命を嘆くことによって、君は自分の不幸を大きくして、一切の笑う望みを、あらかじめ自分から奪い去って、そのため自分自身の胃もさらにいっそう悪くなるだろうから。
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