読書日記

  現在のことを考えよ

 『幸福論』(アラン)より、
 「われわれが耐えなければならないのは現在だけである。過去も未来もわれわれを押しつぶすことはできない。なぜなら、過去はもう実在しないし、未来はまだ存在しないのだから」。
 過去も未来も人間の臆見であって、事実ではない。われわれは自分で自分をさんざん苦しめておいて、悔恨や不安をこしらえているのだ。
 そんな風に自分を苦しめているすべての人に、ぼくは言いたい。現在のことを考えよ、と。
 過去の不幸を悲しんだり嘆いたり悔やんだりしても、不幸な気もちになるだけで、起こってしまった事を変えることはできません。
 未来の心配はしようと思えば際限なくできます。その度に、不安な気もちになっていたら、とても幸せに暮らすことはできません。
 過去や未来のために、現在(の幸せ)を損ねるのは、自分のためによくないでしょう。

 そもそも過去の不幸も未来の不安も自分(の思考)がつくりだしたものであり、自分がそういうことを考えさえしなければ、苦しまなくてすむのです。

 と言っても、つい考えてしまうのでしょう。そういう考え方のクセがある人は特に。
 無意識に考えてしまっても、それに気づいて考え方を変えればいいのです。
 過去のことでくよくよしないような考え方、不安におびえないような考え方を心がけられるようになるといいでしょう。

 幸せを感じられるのは今だけです。幸せになるためには今を大切にできるようになることが肝心なのです。
 現在のことに集中していれば、過去の不幸や未来の不安に苦しまずにすむのです。
 過去や未来のために不幸になる時間を減らし、その分自分が幸せになれることをやれるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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