読書日記

  情念の説得力

 『幸福論』(アラン)より、
 情念のみごとな説得力にわれわれはたいてい、まいってしまう。
 よく考えて、情念の巧妙な説得力を見抜いて、それを信じ込まないようにしなければならない。「あの見かけだけの友人め、おれを軽蔑してばかりいる」とは言わないで、「こんなに興奮していては、よくわからない。正しい判断がもてない。おれは自分に聴かせる台詞を朗読している悲劇俳優にすぎないのだ」と言うがいい。
 人間は様々な情念に駆られて、理性とは反した行動をしてしまうことがあります。
 たとえば、怒り、イライラ、嫉妬、憎しみ、不満、悔しさ、悲しみ・・・のような情念に流されて、悪い行動(人に対して悪いこと、自分にとって悪いこと、社会に悪いことなど)をしてしまいます。
 さらに、悪い気分の悪循環不幸の悪循環に陥ってしまうこともあります。

 強い悪感情とそれに誘発される悪い思考(不幸になる考え方)に無条件に従わないようになれるといいのでしょう。
 そのためには、まず情念を少しでも鎮められるように、受け入れる考え方を心がけることだと思います。「こういうこともある」「こんな人もいる」などと、自分(の心)に言い聞かせることで、悪感情を少しでも小さくできるといいのです。
 その上で今できる幸せになる考え方を見つけ、(心の中で)言うことで心にいい影響を与えられるといいでしょう。

 感情をコントロールできないという人もいると思いますが、努力すればある程度感情をコントロールできるようになれると思います。
 そのためには、幸せになる考え方を心がける習慣をつくることだと思います。
 そうすれば、「一つ一つ、少しずつ」幸せになる考え方を身につけていくことができるでしょう。それにつれて、情念の説得力に負けずに、理性を保てるようになれるでしょう。



   

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