読書日記

  興味のあるものを拡大する

 『脳はなにかと言い訳する』(池谷裕二)より、
 脳がいかに思い込みが強いか、いかに頑固か、もっと思い切った言い方をすれば、脳はなんと偏見に満ちているか。
 脳が情報をどういうふうにゆがめているかというと、自分にとって興味のあるものを好んで拡大するということです。
 それはなぜかというと、自分にとって興味のあるもの、大切なものは、脳の中では大きいからです。これは、理に適っています。
 「脳は見たいものしか見ない」と『海馬』にも書かれています。
 また、「目や耳は見たいものだけを見、聞きたいものだけを聞いている」と「欲しいものは大きく、欲しくないものは小さく見える」は、心理学では知覚の選択性と感覚強調と呼ばれるそうです。

 不幸なもの(事・人・物)に気づきやすく、イヤな思いをしやすい人は、「不幸になりたい」という無意識の望みがあるのかもしれません(世の中には“不幸になりたがる”人がたくさんいるようです)。
 また、「××したくない」と意識するのは、「××したい」と思っているのと同じような(自分にとって興味のあるもの)ものであり、気づきやすく、大きく見えるのだと思います。

 一方、意識して「こういうものを見たい」と探せば、そういうものが見つかりやすくなります。ということは、そうじゃないものは見にくくなるということです。
 意識して幸せを探せば、幸せに気づきやすくなり、不幸は見えにくくなるのです。

 また、自分の幸せについて考えれば(幸せな気もちになれ)、自分の不幸を考えずに(不幸な気もちにならずに)すむのです。人は同時に2つのことを考えたり、2つの感情を感じることはできないのです。
 そこで、イヤな気もちになった時に、「不幸を数えて暮らすより、幸せを数えて暮らそう」と心がけられるようになるといいのです。

 “心の窓”という考え方もできます。
 『美しい人生を見たいのなら心の窓をきれいに磨くことだ』 斎藤茂太
 さらには、バラ色(幸せ色)のサングラスをかければいいのです。たとえば、いい所を探すいいように受けとめるいいように考える楽観的に考える、・・・。
 自分が幸せになりやすい、ものの見方・考え方ができるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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