読書日記

  ストレスは克服できる

 『脳はなにかと言い訳する』(池谷裕二)より、
 「ストレスを感じる人と感じない人がいる」とはよく聞く話です。
 人によってストレスの感じ方が違うだけでなく、同じ人でもそれまでストレスだったものが、ストレスに感じなくなることもあります。つまり、ストレッサーは変わらないけれど、受け手の主観であるストレスは変わりうるものだといえます。
 裏を返せば、ストレスは克服できるものであるともいえるわけです。その典型が“場馴れ”です。
 ストレスは個人差が大きいようです。
 一般的には、まじめ、完璧主義、力を抜けない、責任感が強い、がんばり屋、「ねばならない」という思いが強い、理想が高い、思い込みが激しい、がんこ、くよくよしやすい、考え込むタイプ、悲観的、自罰的・・・このような人がストレスを受けやすいそうです。

 ストレスの原因(ストレッサー)を取り除くことで、ストレスを受けないようにすることができればいいのですが、なかなかそうはいかないのでしょう。
 でも、ストレスの原因は変わらなくても、自分が変わることでストレスを小さくできるのです。自分を変えるためには、考え方を変えることからだと思います。

 たとえば、「ストレスはあるもの」「いいことをするためのストレスであり、それによって緊張感ややる気や集中力などが生まれる」「ストレスを乗り越えることで自分が成長できる」のようなストレスに対する考え方。
 たとえば、「こういうこともある」「(ある程度は)しかたがない」のようなストレスを受け入れる考え方
 たとえば、「まぁいいか」「なるようになる」のような力を抜く考え方。
 このような考え方を心がけることで、ストレスの受け方を軽くできるようになるといいのではないでしょうか。

 人間には「慣れ・馴れ」によって感じにくくなる性質があります。
 悪い意味では、マンネリ化し、「当たり前」と思うことで、今ある幸せを感じられなくなります。
 いい意味では、慣れる(馴れる)ことでストレスなどのイヤなものをあまり感じなくなることもあるのです。

 『人間はなにごとにも慣れる存在だ』 ドストエフスキー

 時間が経てば、いつのまにか慣れて、(苦痛や不幸を)忘れられるのだと思います。
 早く慣れるポイントは、「こういうこともある」「しかたがない」などと現実を受け入れることだと思います。
 すぐにはそう思えなくても、「こういうこともある」や「しかたがない」と繰り返し自分の心に言い聞かせることで、だんだん心が受け入れられるようになるのです。

 ストレス(の原因)をイヤがったり嘆いたりしているよりも、自分(の考え方)を変える努力をすることで、少しでも早くストレスを克服できるようになるといいのではないでしょうか。



   

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