読書日記

  無為・無執

 『老子』(小川環樹・訳注)をヒントに考える“幸せの道”。

幸せの達人は、
 特別なことを為そうとしないから、失敗することはない。
 一つのものに執着しないから、失望することもない

  (『老子』第64章「聖人、無為故無敗、無執故無失」)

 夢や目標をもって努力するのは、幸せになる方法の一つです。
 ただし、それを為し遂げなければ幸せになれないと思い込んでしまうと、なかなか幸せになれず、失敗した時には絶望して不幸になってしまいます。
 それを成し遂げればすごく幸せになれるのですが、成し遂げなくても(今はそれなりに)幸せと考え、力を抜いて日々の努力を続けられるといいでしょう。そうすれば、たとえ失敗したとしても不幸に陥らないですむのです。挫折や失敗という不幸を幸せに反転することも可能なはずです。
 無為で自ずと幸せになれるようになれば、失敗の不幸を味わうこともなくなるのでしょう。

 不幸になるのは、何かに執着しているからかもしれません。
 人は様々な欲に心をとらわれてしまい、思うようにならないことで不幸な気もちになってしまいます。正しさや真面目さや立派さのような本来良いことでも、「こうでなければ(絶対に)いけない」のようにとらわれてしまうと、自分を苦しめることになってしまうのです(正しさよりも自分の気もちが大切)。
 何かに執着している自分に気づけるようになり、一つのことにとらわれないようになれるといいでしょう。

 求めすぎは不幸の元です。
 実現可能自分に合った望みをもって自然に生きられるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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