読書日記

  スープルな精神

 『不幸な国の幸福論』(加賀乙彦)より、
 フランス語に「スープル(souple)」という言葉があります。日本語にすると、「しなやか」とか「柔軟な」という意味です。

 これがなければ幸福になれないという思い込みを捨てること。
 自分を不幸だと決めつけず、まわりにある小さな幸せに目を向けていくこと。
 「今、ここ」にとらわれず、場を広げ、人生というロングスパンで自分の置かれている状況を見ようとすること。
 挫折も幸福になるための要件だと考えること。
 今の混乱をチャンスと考え、これまで自分たちを縛っていた価値観を見直し、人にも環境にもやさしい生き方を模索していくこと……。

 そう、スープルな精神こそが幸福の源泉である。しなやかな生にこそ希望があるのです。
 「○○たら幸せになれる」という思いが強すぎて、「○○にならないと幸福になれない」のような間違った思い込みをもってしまうのはよくありません。思い込みにとらわれず考え直すことで、間違った思い込みを捨てることができるといいのでしょう。
 「私は××だから、幸福になれない/不幸だ」のように決めつけるのもよくありません。今自分のまわりにある小さな幸せに目を向け、幸せを感じられれば、少しは幸福になれるはずです。

 「今、ここ」の問題だけにとらわれずに、場を広げていろんな答えを探したり、人生という長い目で先の先まで考えることができるといいのでしょう。
 また、挫折などの一時の不幸も幸福になるための「いい経験」と考えることができるといいのでしょう。不幸を幸福に変られると、なおいいでしょう。

 悪い出来事や状況についても、「いいきっかけ」と考え、自分の幸せ・生き方について考え直すことで、自分にとって希望がもてるいい生き方に変えられるといいのでしょう。
 たとえば、人にも環境にもやさしいLOHASな生き方もその一つなのでしょう。

 自分に合った、自分が幸福になれる生き方ができるようになるためには、柔軟でしなやかな精神が必要なのかもしれません。もう一つ大切なのは心の余裕ではないでしょうか。



   

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