読書日記
勝ち越せばいい
PHP2月号の特集は『心穏やかな生き方 イライラ・クヨクヨしないで過ごすヒント』。
秋元康さん(作詞家)は、
全戦全勝をねらうということはとてもつらいんです。それこそ心穏やかになる瞬間すらない。
僕は悟ったんです。人生は10戦やって5勝4敗1引き分けくらいがいいと。そうすれば4敗と1引き分けぶん、人に対してやさしくなれる。そして何とか勝ち越せばいいんだと。
そう思ったらとても気持ちがラクになったことを覚えています。
「完璧主義は不幸の元」だと思います。
勝利や成功やうまくいくことを目標とするのは当然です。
でも完璧でないと気がすまない人は、なかなか心穏やかには過ごせないでしょう。完璧にはできないことが多いからです。
また、完璧を目指すあまりにチャレンジできなくなってしまうのも、自分のためによくないでしょう。
「勝負に勝ち負けはつきもの」「失敗することもある」「うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある」のような当たり前の考えができないのも完璧主義になっている表れと言えるでしょう。
人生という長い目で考え、「何とか勝ち越せばいい」と思うことができれば、ラクになれるのでしょう。
うまくいくかいかないかわからないから、うまくいった時の喜び・幸せも大きいのだと思います。
そういう意味でも、「勝ち越し」という目標が現実的で達成可能な目標なのかもしれません。
「勝ち越し」の中には、勝利という「幸せ」と敗北という「いい経験」が含まれいると考えることもできるでしょう。
自分にはどうにもならないこともある、人生には不幸な事もある、自分には得られない幸せもある、・・・というようなことを一つ一つ学んでいくことも大切だと思います。
そういう意味では、「(一度も)土俵に上がらない」「不戦敗」がいちばんよくないのではないでしょうか。
完璧主義の人は「結果」にこだわりすぎ、とも言えるでしょう。
もっと「過程」を大切にして、「愉しもう」「ベストを尽くそう」などと心がけたほうがいいのではないでしょうか。
また、目標をもつ価値や行動する価値を考え直してみるのもいいでしょう。
「勝ち越せばいいんだ」のように考え、ちょっと力を抜くことで心の余裕を生み、人にやさしくなれたり小さな幸せを感じられるようになれたらいいのではないでしょうか。