読書日記

  死にたいする態度

 『自省録』(マルクス・アウレーリウス)より、
 死を軽蔑するな。これもまた自然の欲するものの一つであるから歓迎せよ。たとえば若いこと、年取ること、成長すること、成熟すること、歯やひげや白髪の生えること、受胎すること、妊娠すること、出産すること、その他すべて君の人生のさまざまな季節のもたらす自然の働きのごとく、分解することもまた同様の現象なのである。したがってこのことをよく考えぬいた人間にふさわしい態度は、死にたいして無関心であるでもなく、烈しい気持をいだくのでもなく、侮蔑するのでもなく、自然の働きの一つとしてこれを待つことである。
 すべての人は必ず死にます。人間は死ぬようになっているのです。
 死について考えて、怖れたり空しくなったりするだけなら、考えないほうがまだましです。
 ただし、死にたいして今は無関心であれても、いずれは差し迫ってくるのです。
 早いうちに考え抜いておいたほうがいいのかもしれません。

 道理をわきまえることで生と死の問題を乗り越え、生死に振りまわされないようになるといいのでしょう。
 むしろ、死と生を強く意識することで、今の生を大切に生きられるようになると、なおいいでしょう。

 死を自然なものの一つとして受けとめ、すぐれた人間らしい態度でいられるようになるといいのではないでしょうか。



   

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