ものをかけ足で見てまわったら、何でもよく似た同じものに見えてくる。急流の景色はどこで見てもみんな急流である。だから、全速力で世間を駆けめぐる人が、おしまいに始めのころより思い出が豊かになることはめったにない。夢の実現に向って全速力で駆け通す生き方を選べる人は幸せな人、とも考えられます。
風景のもつほんとうの豊かさは、その細部のなかにある。見るというのは、これら細部をゆっくり見てまわり、ひとつひとつの前で立ちどまり、そしてあらためて、もう一度全体を一目でとらえることである。
次の日の日記 最新の日記 『幸福論』アラン ホームページ |