読書日記

  歩む幸福

 『無』(本荘可宗)より、
 ある小説の中にこういう言葉がある。「私たちは幸福へは達しなかったが、しかし幸福への道を歩んだということは幸福なことであった」と。
 幸福に達したか否かは運命についたことである。しかしそれへ向けて“歩んだ”という行為、努力それ自身に価値がある。幸福そのものなのであります。
 達成することによって得られる幸福だけでなく、目標をもって生きる価値はいろいろあると思います。
 たとえば、人生を豊かにすること、過程を愉しむこと、自分を育てること・・・。
 成功も失敗も含めていろんな経験がある人生を愉しみながら送ることができたら、豊かで幸福な人生だったと言えるのではないでしょうか。

 一つの大きな幸福を目標にして一生懸命に努力しても達成できないこともあるでしょう。
 だからと言って、不幸だということではありません。努力の過程にも時折は中ぐらいの幸福があるでしょうし、小さな幸福はたくさんあるのです。それらが歩む幸福につながるのだと思います。
 また、幸福は他にもたくさんあるのです。一つの幸福が得られなくても幸福を感じて暮らすことは可能なのです。

 幸不幸は、幸福か不幸かの2つではありません。すごく不幸からすごく幸せまでいろんなレベルの幸福度があるのです。
 幸福度はその人の幸福になる能力に比例するのだと思います。
 自分を育てる努力を続けることで、幸福になる能力を向上させていくにつれて、少しずつ幸福度を高めていけるといいのではないでしょうか。



   

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