読書日記

  時に支配されない

 『生きるということ』(エーリッヒ・フロム)より、
 ある様式においては、私たちは時を尊重するが、時に屈服することはない。
 しかしこの時の尊重は、持つ様式が支配する時には屈服となる。持つ様式においては、時が私たちの支配者となる。
 ある様式においては、時は王位を失い、もはや私たちの生活を支配する偶像ではなくなる。
 もの(事・人・物)を持つため(得るため)には努力の時間が必要でしょう。
 でも、何かを得ることにとらわれると、時間に追われる(支配される)ことになるのでしょう。
 たとえば、仕事は食べるため、何かを買うため、生きるために必要ですが、仕事もしくは時間に追われる生活になってしまう人もいます。

 時に支配されているかどうかは、楽しめる(幸せを感じられる)心の余裕がないかあるかではないかと思います。
 たとえば、仕事に追いつめられて不幸になっている人もいれば、仕事を楽しんで(仕事の幸せを感じて)やれる人もいるのです。
 「忙(しい)」は「心」を「亡(くす)」と書きます。多少忙しくても、心(の余裕)を失わないように、「楽しもう」という工夫努力を心がけられるといいのではないでしょうか。

 幸せになるためには、時間の使い方が大切です。
 何をするかも大事ですが、どう(いう気もちで)やれるかのほうが大事だと思います。
 少しでも幸せな気もちでやることが、時に支配されずに、時を尊重することになるのでしょう。
 それが、ある様式を重視する生き方にもつながるのではないでしょうか。



   

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