真に自由な選択の場におかれると、成熟をとげた健康な人は、真・善・美を高く評価するだけではない。自己実現をそれなりに達成し、心身ともに健康な成熟した人は、さらに人格を高めるような真・善・美を求めるだけでなく、自分を大切にすることもできるのだと思います。
退行的な平和と安静、睡眠と休息、断念、依存と安全、というような生存ないしホメオスタシス的価値をも高く見て、これを求める。
われわれはこれらを大雑把に、成長価値と健康性退行、あるいは「滑走」価値と呼び、さらに人が成熟をとげ、強くて健康であればあるほど、それだけ成長価値を求めることが多く、「滑走」価値を求めることが少ないが、しかもなお両者ともに欲求するものであることを指摘したいのである。
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