読書日記

  指導理性を健全に保つ

 『自省録』(マルクス・アウレーリウス)より、
 私にとって喜ばしいこととは、自分の指導理性を健全に保つことで、これがいかなる人間にたいしても、また人間に起ってくるいかなる事柄にたいしても嫌悪の念をいだくことなく、あらゆるものを善意にみちた眼でながめ、あらゆるものを受け入れ、各々その価値に従って利用するようであってくれればそれが私の喜びなのである。
 指導理性を健全に保つとは、どんな場合においても、悪い心(悪い感情/悪い欲望/悪い思考)に流されずに、善い心を働かせることではないかと思います。

 たとえ嫌な人や嫌な出来事に対しても、嫌悪の念をいだかないためには、まずは「こんな人もいる」「こういうこともある」のように現実をあるがままに受け入れることです。
 さらには、「いいことかもしれない」と善意をもっていいように考えられるといいでしょう。
 その一方で、いいもの(事・人・物)は喜んで受け入れることで、幸せを感じられるといいのではないでしょうか。

 指導理性とは、私の考える“もうひとりの自分”と同じではないかと思います。
 幸せになる考え方を心がける自分、幸せになろうとする自分を生む心の働きです。

 自分が物事をいい(幸せになれる)ように心を働かせられることが喜びになるのでしょう。
 その前に、(うまくはできなくても)そういう心がけをする自分を好ましく思えるのではないかと思います。
 そして、そういう努力によって自身が進歩・成長していくことが自分の大きな喜びになるのではないでしょうか。



   

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