読書日記

  自分とけんかしない

 『幸福論』(アラン)より、
 思うに、処世術とはなににもましてまず、自分とけんかしないことである。自分が下した決心や今自分のやっている仕事において。自分とけんかするのではなく、自分の決心や職業をりっぱにやってのけることだ。
 どんな運命もそれをよいものにしようと欲するならば、よい運命となるのだ。
 自分が望んでいる通りにならないとき、人は不幸な気もちになります。
 不幸になる原因は、自分の望みと自分の現実の不一致(けんか)とも言えるでしょう。

 幸福になるためには、自分の望みを知り、それを実現できるように努力すればいいのです。
 そして、人生の選択において自分が望むもの(事・人・物)をできるだけ選ぶようにすることです。たとえば、仕事でも人づきあいでも、自分に合わない仕事・相手を選んでしまうと、自分の望みと現実がけんかすることになり、幸福に過ごすのは難しくなるのでしょう。

 いつも自分の望み通りの選択ができるわけではありません。自分が望んでいるものでも、今の自分には選択できないものもあります。
 自分が望むものがどうしても見つからない場合には、自分の望みを現実に近づけたほうがいいのかもしれません。

 また、自分が望んでいたはずなのに、実際にやってみたら自分とは合わない場合もあります。だからと言って、そう簡単に選び直すわけにはいかないことも多いでしょう。
 そういう場合でも、過去の選択を後悔したり現状に不平不満を言ったりし続けるのではなく、今の現実をよくする努力をすることが大事だと思います。
 たとえば、仕事でもつきあう相手でも、そのいい所を見つけ、それを楽しむように工夫すれば、好きになれるものが(自分が選んだものの中には)多いと思います。

 人生の選択が自分の望み通りでなかったとしても、自分の望みと現実がけんかしないように、自分の生き方はこれでいいと思えるように生きることが大事なのだと思います。
 それが自分が望む人生に近づくこととなり、自分とけんかしないですむことにもつながるのではないでしょうか。



   

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