読書日記

  楽しみを味わいなさい

 『幸福論』(アラン)より、
 汽車に乗ると、いつもこう言う人の声が聞こえる。「何時にならないと着かないんだ。この列車の旅の長い退屈なことといったらないよ」と。
 もし別の視点でものを見たら、鉄道の旅はもっとも生き生きした楽しみの一つであると見られるようになるであろう。
 でも、人はそれを十分には楽しんでいない。あらゆる国の言葉で、あちこちに張り紙を出す必要があろう。「目を開いてごらん。楽しみを味わいなさい」と書いて。
 「鉄道の旅は退屈」と考えるか、「鉄道の旅は楽しみ」と考えるかによって、その時間の幸不幸が大きく違ってしまうでしょう。
 人によって好き嫌いや興味は違うでしょうが、自分が少しでも幸福になれる考え方を選べるようになるといいのではないでしょうか。
 「ものは考えよう」のもの(事・人・物)が多いのだと思います。

 「人生」はよく「旅」に例えられます。
 旅をする目的は、目的地に行くこと(移動)ではなく、旅の過程を楽しむことです。結果だけを考えれば、「どうせ家に戻ってくるのなら、行っても行かなくても一緒」ということになってしまいます。
 「人生は退屈/苦しい/不幸ばかり」などと考えて生きるのと、「人生は面白い/楽しい/幸せがたくさん」などと考えて生きるのと、どちらが自分のためにいいでしょうか。
 それによって、人生という長い時間の幸不幸が大きく違ってしまうのです。

 「旅/人生は楽しい」と考えるだけでなく、そうなるように努力することが大事なのだと思います。
 「目を開いてごらん楽しみ味わいなさい」の忠告に従うことです。
 実際には今を楽しむことが大事なのです。そのためには、生活を楽しむ意識をもって、生活を楽しむ工夫努力をすることだと思います。



   

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