汽車に乗ると、いつもこう言う人の声が聞こえる。「何時にならないと着かないんだ。この列車の旅の長い退屈なことといったらないよ」と。「鉄道の旅は退屈」と考えるか、「鉄道の旅は楽しみ」と考えるかによって、その時間の幸不幸が大きく違ってしまうでしょう。
もし別の視点でものを見たら、鉄道の旅はもっとも生き生きした楽しみの一つであると見られるようになるであろう。
でも、人はそれを十分には楽しんでいない。あらゆる国の言葉で、あちこちに張り紙を出す必要があろう。「目を開いてごらん。楽しみを味わいなさい」と書いて。
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