高田敏子さんが詩を作りはじめたころ、先輩から「名前にたよって見てしまってはだめなんだ」とたしなめられたとき、“びっくりさせられた論理”と驚かれたのも無理はありません。「この日から、名前にたよらずに物を見よう」と高田さんが言われますが、これこそ心経のいう「空の中に色もなし」です。「これは○○だ」「○○はこうだ」「○○はここにあるものだ」のような思いが心の中にあると、よく見えないこと・気づけないことが多くなり、何も感じられなくなってしまうのでしょう。
高田さんは言われます。「おとなは名前にたよりすぎて、(ものそのものを)見ることに不精になってしまったのです。名前を知らない以前の気持ちになって家の中を見まわすなら、物の形がはっきりと見えてきます――」と。
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