読書日記

  幸せの道の要妙

 『老子』(小川環樹・訳注)をヒントに考える“幸せの道”。

すぐれた人を貴べない者、弱い人を愛せない者は、
 どんなに知恵があっても、幸せの道で大いに迷う。
 これが幸せの道の巧妙な要点である

  (『老子』第27章「不貴其師、不愛其資、雖智大迷、是謂要妙」)

 すぐれた人には学ぶべきことが多いのです。自身の成長のためには、人から学ぶことが重要です。
 幸せの道を歩む人にとって、幸せな人から学べることがあるはずです。人の幸せを見てどう考えるでしょうか。相手を見習ったり、相手を目標にして努力したりできるといいのではないでしょうか。

 人を愛する一番の方法は、相手を幸せにすることだと思います。
 人を幸せにすることは自分が幸せになる方法の一つです。
 弱い人・不幸な人は、それだけ幸せにしやすい人・幸せにしがいのある人と考えることもできます。

 幸せの道において、自分一人の幸せには限界があると思います。
 自分で幸せになる方法をどんなに考えても、一人の人間の考えることには限界があります。世の中には自分の知らないことがたくさんあるのです。多くの人から学ぶことで幸せの道を前進していけるといいでしょう。
 自分だけの幸せを追求していくと、どこかで疑問や虚しさや行き詰まりのようなものを感じることになってしまうと思います。人を愛する幸せは良質であり、「自分だけが幸せでいいのか?」という、やましさのない幸せでもあります。
 また、愛を広げることで自分の幸せを広げることも、愛を深めることで自分の幸せを深めることも可能です。

 「人の幸せが自分の幸せにつながる」ということを実感できるようになることは、幸せの道の大きなステップの一つだと思います。



   

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