読書日記

  豊かな心

 『老子』(小川環樹・訳注)をヒントに考える“幸せの道”。

栄えることの価値を知りながら、慎ましさを守る人は、
 すべての幸不幸を受け入れられる。
 幸せを感じる心の働きにより、常に幸せでいられる

  (『老子』第28章「知其栄、守其辱、為天下谷、為天下谷、常徳乃足」)

 自分や家族が何らかの分野で繁栄して、豊かな環境(財産・地位・栄誉など)を手に入れることは、幸せになるために貢献するでしょう。実際に、そういうものを目指して努力している人がたくさんいます。
 でも、そういう繁栄がなくても幸せになることはできるのです。慎ましい暮らしの中でも幸せを感じて生活することは可能です。

 あえて栄えることを求めずに、慎ましく暮らす生き方を選んでもいいのです。
 そういう人は、遭遇する不幸は現実として受け入れることで心の中で小さくすませ、小さな幸せを喜んで受け入れることで十分に感じられるのです。

 そういう人は、豊かな心のもち主と言っていいでしょう。
 豊かな心の第一は、幸せを感じられる心だと思います(幸せになる能力)。

 豊かな環境を求める努力と、豊かな心を求める努力は大きく異なります。どちらを選ぶかは自分しだいです。
 ある程度豊かな環境を求めつつ、豊かな心を養う努力を続けるというのが現実的でしょう。
 でも、ある程度の環境が手に入ったら、それ以上は求めずに、心の豊かさを大切に生きられるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

次の日の日記

最新の日記

老子』から学ぶ幸せの道

ホームページ