読書日記

  幸せを固守しない

 『老子』(小川環樹・訳注)をヒントに考える“幸せの道”。

あふれるほどの幸せを持ち続けようとしないほうがいい。
 金や宝石をいっぱい持っていても守り続けることはできない。
 富や名誉におごることは自滅につながる。
 大きなことを成し遂げたら身を引く。
 それが幸せにつながる道である

  (『老子』第9章「持而盈之、不如其身、
   金玉滿堂、莫之能守、富貴時驕、自遣其咎、功成名遂身退、天之道」)

 ある程度のお金があれば幸せに暮らすことはできるはずです。それ以上あっても幸不幸はあまり変わらないのです。
 成功し、金持ちになったからと、高慢になるのは不幸の元です。そこで努力を怠ればその結果がやがて現れます。油断して大きい失敗や罠に陥ることもあります。人に横柄な態度をとれば、人間関係に悪影響を及ぼすでしょう。
 また、高慢になると小さな幸せを感じられなくなるのではないでしょうか。

 自分が持っている幸せを不用意に失うのはよくありませんが、幸せを守るために苦労するのはどうかと思います。
 多くの幸せはやがて失われるものです。守るだけではつらくなるだけで幸せを維持することは難しいでしょう。

 必然的に失われる幸せはしかたがないものと考え、今ある幸せを感じる生活をしながら、これから得られる幸せを求めて努力したほうがいいでしょう(攻めと守り)。
 今もっている幸せよりも、これから得られる幸せのほうがたくさんあるし、いろんな幸せを感じられる可能性があるのですから。



   

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