読書日記

  幸福に飢えている

 『新・幸福論』(五木寛之)より、
 私たちは、ひょっとするといま、幸福にひどく飢えているのではないか。
 そこそこ幸せに暮らしているようで、じつは本当の幸福を実感していない。
 むしろ漠然とした不安感をかかえて生きている。
 現在日本で生きている私たちは、そこそこ幸せな状況(主に、物質的・環境的)の中で暮らしているのでしょうが、幸せをあまり感じていない人が多いのではないでしょうか。
 そこで、「今までの経済重視のやり方・生き方でいいのだろうか?」のような疑問を感じ、その結果として「もっと幸福を重視したほうがいいのではないか」のような考えが強くなってきたのではないかと思います。
 その一つのヒントはブータンの国民総幸福量であり、日本の政府も「幸福度指標」の作成を開始しました。

 生活の中で幸せを感じられないのは、心の余裕がないからではないでしょうか。
 その原因の一つが、漠然とした将来への不安感なのでしょう。すでにある程度の生活レベルを手にしているのに、将来のために仕事に追われたり、やりたいことや欲しいものを相当に我慢したりする生活を送っているのは、将来への不安が強いからでしょう。

 将来への不安感があるから、余計に幸福に飢えているのかもしれません。
 逆に、今の生活に幸福感がないから、将来の不安が余計に強くなるとも考えられます。「今は幸せ」と思える人は、将来も「今は幸せ」と思えるのではないでしょうか。



   

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新・幸福論』五木寛之

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