読書日記

  人間の性格は変わりうる

 『生きるということ』(エーリッヒ・フロム)より、
 私の言いたいのは、人間の性格は次の条件が存在すれば、変わりうるということである。
(1)私たちが苦しんでいて、しかもそのことに気付いている。
(2)私たちが不幸の原因を認めている。
(3)不幸を克服する方法があることを私たちが認めている。
(4)不幸を克服するためには、生きるための或る種の規範に従い、現在の生活慣習を変えなければならないことを、私たちが容認している。
 生まれもった根の性格は変えようがないのかもしれません。
 でも、自分が性格と思っている大半は“考え方のクセ”だと思います。長い期間で染みついたクセを変えるのは容易ではありませんが、努力を続ければ少しずつ変えていくことはできると思います。
 また、変えようのない根の性格に基づいた否定的な考えが出てしまって、それに気づいて途中で考え方を変えることも可能だと思います。人間には考え直すという能力があるのです。

 「自分の性格を変えよう」と思い立つには、相当な決意と覚悟が必要でしょう。
 まず、自分が苦しんでいると自覚し、少しでも苦しまないようになりたいと思うことでしょう。
 そして、不幸になる原因が自分の考え方(のクセ)と認めることです。実際の不幸の主因は何かしらあるのだと思いますが、不幸な気もちが長くなったり強くなったりするのは自分がそういう考え方をし、続けているからです。

 不幸になる考え方を克服する方法は、幸せになる考え方ができるようになることです。幸せになる考え方とは、(今自分にできる)幸せ向きに心を変えられる考え方であり、それは自分の心に効く具体的な言葉です。
 不幸を克服できるようになるためには、幸せになる考え方を心がける習慣をつくることができればいいのです。

 〈持つ〉ことを重視する生き方から〈ある〉ことを重視する生き方、さらには幸せを重視する生き方に変えていくのも考え方を変えることからだと思います。
 考え方が変われば、物事の感じ方が変わります。様々な選択も行動も変わり、生き方も変わります。
 考え方がちょっと(幸せ向きに)変わっただけで、性格が変わったと感じられることもあると思います。



   

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