何よりもまず、私たちは自分の物や自分の行為から自由にならなければならない。これは何も所有してはならず、何もしてはならないということを意味してはいない。それの意味するところは、自分が所有するもの、自分が持つものに、また神にさえも、縛られ、自由を奪われ、つなぎとめられてはならない、ということである。「持つ」ことは〈悪い〉わけではない。でも、何かに執着してしまうと、自由な心を失い、本来の自分を発揮できなくなったり、不幸になったりするのでしょう。
すべてのものが、何でもが、渇望の対象となりうる。日常生活で使う物、財産、儀礼、善行、知識、思想。それらはそれ自身として〈悪い〉わけではなく、悪くなるのである。すなわち私たちがそれらに執着する時、それらが自由をそこなう鎖となる時、それらは私たちの自己実現を妨げるのである。
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