読書日記

  役立たずになる

 『幸せになるための罪深き7つの知恵』(ロジャー・フーズデン)より、
5つめの知恵「役立たずになりましょう」

 「役に立つ」とか「役に立たない」とかいうことは、人生を全身全霊で情熱的に生きるうえで、それほど重要ではありませんし、ましてやそれがすべてではありません。

 誰だって何かを成し遂げれば、深い達成感と幸福感が味わえます。
 でも、たまには何もしない時間を自分に与えてあげないと、私たちの内部の資源が枯渇して、毎日、不安な気持ちを抱えたまま生きることになってしまいます。たまにはボーッとしないと、人間は幸せになれないのです。
 自分(の仕事・目標達成など)の役に立つ、誰か(家族・仲間・会社・地域・社会など)の役に立つ、・・・。
 「役に立つ」ということは、価値のあることであり、また自分の存在価値を生むことでもあり、いいことです。それが自分の幸せにつながることもあるでしょう。

 でも、「役に立つ」ことにとらわれて、生活をまったく楽しめない、幸せを少しも感じられないようでは、自分のためによくないのではないでしょうか。
 たとえば、自分の目標達成のためにつらいだけの日々を過ごしていると、このままでいいのだろうか、自分には達成できないのではないか、達成できなかったらつらい努力が全部無駄になる・・・などと、不安になるのではないでしょうか。

 たまには、「役に立たない」無駄と思えるようなことをすることが、自分の心にやすらぎやエネルギーや余裕などを与え、力強く生きることにつながるのでしょう。
 たとえば、好きな時間心静かな時間休む時間空白の時間幸せを感じる時間、・・・。
 一見無駄に見えたり、人からは無価値に思われるようなことでも、自分の心にいい影響があればいいのだと思います。時間をかけるのが贅沢というのもあるでしょう。

 役に立つかどうか、効率優先、損得勘定、世間体などにとらわれて、自分の心をおろそかにしないために、たまには「役立たずになる」のもいいのではないでしょうか。



   

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