足るを知るとは、言い換えるなら、あきらめるということでもあるでしょう。ここで言う「あきらめる」は、単に「断念する」ことではありません。足るを知るということには、自分に今あるものを幸せと思うことと、自分に今足りないものを要らないと考えることが含まれるでしょう。
世界と自分自身をしっかりと見つめて、本当に大切なものとそれほど必要ではないもの、自分に合っているものと合っていないもの、努力すればなんとかなることと努力してもどうにもならないこととを見極めていく。そのうえで、断念すべきことは潔く思い切り、自分なりの目標や夢に向かっていく。そういう広い意味での「あきらめ力」を磨くことが、幸せな人生につながっていくのだと思います。
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