読書日記

  足るを知る

 『不幸な国の幸福論』(加賀乙彦)より、
 これがあれば幸せになれるといわれているものや、自分に欠けていると思うものを手に入れても、また次なる何かが欲しくなるだけです。それを続けている限り、幸せはいつもちょっと先にあり続ける。
 しかし、足るを知ったあなたは、もう鼻先にぶら下げられた人参を追う馬ではありません。今自分が手にしているもののなかにある喜びを、積極的に見いだしていけるようになるはずです。
 今の自分がもっているものに満足し、自分を肯定できる人は、周囲の意見やら見栄やら流行といったものに惑わされたり、人と比較して自分にないものを求めたりすることが少なくなります。
 出世・成功/いい仕事/いい人との出会い・恋愛・結婚・子供/夢や目標の達成/マイホームなどの物/お金・高収入などを手に入れれば幸せになれる、と思っている人は多いでしょう。
 でも、実際に手に入れて一時的に幸せになれても、やがてその幸せは忘れて、次の幸せを求めるようになる人が多いのでしょう。それでは、日常的に幸せに暮らせるようになることはできません。

 今の自分がもっているもの(やれる事・まわりの人・物)に満足し、幸せに感じられることが大事です。
 また、今の自分に欠けているものがあったとしても、「自分には××もあるけど、○○もある」「今の自分はそのままでも(それなりに)いい」などと、自分を肯定できるといいのでしょう。
 自分に対する考え方が否定的だと、人の目を気にしすぎたり人と自分を比較したり不幸になる考え方をしやすいのでしょう。

 「足るを知る」心をもてるといいのでしょう。
 その上で、「今は幸せ。でももう少し幸せになれたらいいな。ではどうしたら?」という心の姿勢で生きていけるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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