読書日記

  与える人が豊かな人

 『愛するということ』(エーリッヒ・フロム)より、
 たくさん持っている人が豊かなのではなく、たくさん与える人が豊かなのだ。
 ひたすら貯めこみ、何か一つでも失うことを恐れている人は、どんなにたくさんの物を所有していようと、心理学的にいえば、貧しい人である。
 気前よく与えることのできる人が、豊かな人なのだ。
 幸せ(の対象)を持っていても、忘れて生活しているようでは、持ってないのとほとんど変わりありません。
 自分が持っている幸せを感じられれば、それだけ幸せに過ごせるのです。
 自分が持っている幸せを別の幸せに活かすことができると、なお幸せなのでしょう。
 その方法の一つが、「人を愛すること」(人に幸せを与えること)なのでしょう。

 たとえば、お金をたくさん持っていても、使わなければあまり価値がありません。お金を使うことで幸せを感じられれば、それだけの価値が生まれるのです。
 反対に、持っているお金を失うことを恐れて生活している人は、穏やかな心で過ごすことも、お金によって幸せを感じることもできないでしょう。

 物やお金があるのは幸せにことですが、ある程度の物やお金があれば、あとは本人の心持ちが大きいのだと思います。
 物やお金が豊かな人よりも、心が豊かな人のほうが幸せになりやすいでしょう(もちろん、両方豊かなら、なおいいのでしょうが)。
 そういう意味では、気前よく与えられる人は「心豊かな人」と言えるのではないでしょうか。

 お金を使うことで誰かを幸せにできることはたくさんあるでしょう。
 「相手を幸せにすることが自分の幸せ」と思える人は、自分も幸せ(な気もち)になれるのです。
 同様に、自分が持っているものを使って人を幸せにできることはいろいろあるでしょう。
 自分が持っている幸せを活かして人を愛する幸せを感じられるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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