読書日記

  とらわれて不平不満に終始しない

 『人生談義』(松下幸之助)より、
 何かに不平や不満を感じる場合、その何かにとらわれて不平不満に終始していればいつまでたっても状況は変わりません。いや、かえってますます悪くなっていきます。
 そんなときは自分が何かにとらわれていないか、一度静かに考えてみることですね。そして、何にもとらわれず積極的に見直してみる。
 そうすると、すうっと目の前の霧が晴れるというようなことがあるものです。あるいは、勇気が出てきたりいい考えが浮かんで事態が打開されるということもあるかもしれません。
 不平不満に限らず、悲しみや怒りや悔しさなどの悪感情が持続するのは、何かにとらわれているのでしょう。
 過去の出来事にとらわれている、誰かにとらわれている、お金や物にとらわれている、役職や組織にとらわれている、人の目や世間体にとらわれている、クセや習慣にとらわれている、・・・。
 とらわれている心に問題があるのかもしれません。悪感情にとらわれている、欲望にとらわれている、価値観や先入観などにとらわれている、自分の考え・思い込みにとらわれている、・・・。

 悩みや悪感情が続いている場合に、「何かにとらわれていないか?」と素直に考えてみれば、とらわれているものに気づけることもあるでしょう。
 とらわれているものがわかれば、それをあきらめたり、回避したりするだけで、心が解放されることもあるでしょう。
 また、とらわれているものを乗り越える方法を考えることで、事態を打開できることもあるでしょう。

 何かを求めるのは悪いことではありません。幸せを得るために必要なことでもあると思います。ただし、とらわれてしまうと問題になってしまうのでしょう。
 私心にとらわれない素直な心を養うことで、とらわれのない心で人生を楽しめるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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人生談義』松下幸之助

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