読書日記
感覚的思考と概念的思考
『養老訓』(養老孟司)より、
問題は最近の人は概念的な思考ばかりが優先して感覚的な思考ができなくなってきていることです。感覚が鈍くなっているのです。
平たく言えば、頭でっかちになって、目の前のことに鈍くなってしまっている人が増えているのです。
感覚的思考と概念的思考とどちらが正しいとか、正しくないとかではなくて、人間は両方出来るわけです。そして今の日本では、概念的思考のみが肥大している人が多くなっているということです。
幸せになるためには、幸せを感じられるようになることが肝心です。
幸せを感じられない原因の一つが余計な(今の自分にある幸せ以外の)ことを考えること(概念的な思考)です。
過ぎたこと、まだ先のこと、今抱えている問題、小さいこと、イライラさせる人のこと、イヤな人のこと・・・。
いずれにしても、今を大切にできるようになることが大事なのだと思います。
これに対して、幸せを感じられる感覚的な思考とはどのようなものでしょうか。
たとえば、「いいなぁ」「幸せだなぁ」と素直に思うこと、「楽しもう」「味わおう」と心がけること、想像力を働かせること、感謝すること、・・・。
このような考え方を心がけ、それが習慣になるといいのではないかと思います。
概念的な思考の中にもいいものも多いと思います。
たとえば、過去を自省すること、夢や目標について考えること、愛する人のことを考えること、自分の幸せや生き方について考えること、・・・。
ただし、一つの考えにとらわれて、今ある幸せを感じられなくなってしまうのがよくないのだと思います。そういう意味では、幸せを感じるために大事なのは心の余裕なのかもしれません。