読書日記

  安物買いの銭失い

 『「青い鳥」をさがしすぎる心理』(加藤諦三)より、
 幸せの「青い鳥」を探しすぎる人を見ていると、何事についても「安物買いの銭失い」という格言があてはまる気がする。
 安易に手にはいるということで、結局「偽の幸せ」を手に入れてしまうのである。

 幸せの「青い鳥」を探しすぎる人は生き方の全てが安易なのである。
 何か自分には特別安易な生きる方法があるのではないかと思っている。その「得する方法」を探している。そんなものがあるはずがない。だから「偽の幸せ」をつかまえてしまう。
 幸せの「青い鳥」を探しすぎる人には、焦りすぎの人と、高望みしすぎの人がいるのではないかと思います。
 焦りすぎの人は、目の前の幸せそうなものに安易に飛びついたり、流行やまわりの人に振り回されたりして、その結果得たものは「偽の幸せだった(自分の幸せではなかった)」ということになってしまうのではないでしょうか。
 高望みしすぎの人は、自分には得られないものを追い求め続けたり、いくら探しても見つからなかったりして、いつまでたっても幸せを得られないのではないでしょうか。

 五木寛之さんが『生きるヒント3』(角川文庫)の中で、「ちょっとしたストレスの発散方法はいろいろありそうですが、個人の悩みを一挙に解決してくれる万能薬など、この世にないことがはっきりしてきます」と書かれています。
 同様に、幸せになる特効薬はないと思います。また、唯一・絶対・不変の“悟り”や“本当の幸せ”のようなものはないとも思います。

 『青い鳥』(メーテルリンク)の中では、次のように書かれています。

  『なんだ、あれが僕たちの探している青い鳥なんだ。
   僕たちはずいぶん遠くまで探しに行ったけど、
   本当はいつもここにいたんだ』 メーテルリンク

 「幸せの青い鳥は、幸せに暮らす習慣」と私は考えています。
 一時的に幸せになる方法はたくさんありますが、日常的に幸せになるためには幸せに暮らす習慣を身につけることが必要ではないでしょうか。

 「夢(自分が幸せになれるであろう目標)」と「愛」に幸せを求める人が多いでしょうが、どちらも幸せに暮らす習慣にできると思います。夢や目標を愉しんで生きることや人を愛する幸せを感じることを習慣として身につけることができればいいのです。

 いずれにしても、「幸せの青い鳥は、自分の心の中に育てていくもの」ではないでしょうか。
 自分の心の中の青い鳥は、飛び去ってしまうことはありません。

幸不幸は どこに行っても自分と道連れ



   

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「青い鳥」をさがしすぎる心理』加藤諦三

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