読書日記
環境適応能力
『鈍感力』(渡辺淳一)より、
いまのような国際化時代、どこの国に行って、どのような自然の下でもさらに現地のどんな食物を食べても元気で生きていける。こうした環境適応能力ほど、素敵で逞しいものはありません。そしてこの環境適応能力の原点になるのが鈍感力です。
環境衛生にあまり神経質になるより、抵抗力をもった、強くて鈍い体ほど素敵なものはありません。
海外渡航に限らず、職場や学校・学級が変わったり、住む場所や一緒に住む人が変わったりする、環境の変化に適応する能力があったほうがラクに生きていけるのでしょう。
『至上の処世術は、妥協することなく適応することである』 ジンメル
環境に適応するためには、あまり神経質にならない鈍感さがあったほうがいいのでしょう。
また、抵抗力を高めるためには、免疫力を獲得するのと同様に、経験することが必要でしょう。病気やケガを怖れすぎて、環境が良くない所や危険を常に避けていては、抵抗力も免疫力もつかないでしょう。
同じように、失敗や負けることや傷つくことなどのリスクを避けてばかりいては、忍耐力や自信などもつかないでしょう。
甘やかすことは、相手を弱くし、人生という長い目で見たら、相手を不幸にしてしまうのではないでしょうか。
『子どもを不幸にするいちばん確実な方法は、いつでも、
なんでも手に入れられるようにしてやることである』 ルソー
環境適応能力を向上させるためには、免疫力を鍛えるのと同様に、自分が経験したことを自省し、自分の考え方や行動を少しずつ改善していくことだと思います。
その前に、困難やリスクをあまり怖れずにやってみる、いい意味での鈍感力が必要なのかもしれません。