しあわせ日記

7月20日(木) 奇跡のような幸運

 PHP8月号の「今を生きる」は、小柴昌俊さん(ノーベル物理学賞受賞者)。
 私は学生たちにいつも話をする。人間が今あるのは、奇跡のような幸運に恵まれてきたからだと。46億年も前に地球という惑星が誕生した。その惑星には海という大量の水があった。やがてその海に生物が誕生し、気の遠くなるような時間を費やして進化した。まさにいくつもの幸運に恵まれて、現在の我々人類の姿があるわけだ。

 今の自分の境遇に不満をもっている人もいるだろう。願いも叶わず、希望さえも失くしかけている人もいるだろう。しかし、それらを抱えながらも、今生きている奇跡のような幸運に心を馳せることだ。人間として生まれたという奇跡のような幸運。その原点を見つめることが大切だと思う。
 自分が現在、ここに存在しているのは、奇跡的な(確率の)ことなのです。
 そして、自分という存在は、全世界・全宇宙でたったひとりだけです。他にはいないのです。
 自分の人生を生きられるのは自分だけです。他の誰にもできないことなのです。

 このような意識を持つことで、貴重な自分を大切にして生きようと思うことができるかもしれません。

 誰にでも今現在、恵まれていないものも、思い通りにいかないことも、悩みや問題もあるでしょう。
 でも一方、恵まれているものや、自分にできることや、出会える幸せもあるはずです。
 少なくとも、奇跡的に恵まれた生命があり、生活の中でやれることがいろいろあります。

 今の日本に暮らせるのは、相当に幸せなことではないかと思います。
 贅沢をしなければ、衣食住に困る人は少ないでしょう。というよりも、世界の中では、キレイな服を着て美味しいものを食べていい家に住んで、けっこう恵まれた生活をしているほうなのではないでしょうか。また、過去の日本に暮らした人たちよりも恵まれているでしょう。

 食べるものなんて、日本では和洋中ほか世界中のいろいろなものを食べることが可能です。お菓子とか飲み物とかもいろんな種類の美味しいものを飲食できます。
 日本では、食べられないことよりも、食べすぎのほうが問題になっているくらいです。“贅沢な悩み”とも言えそうです。

 私は、お風呂が好きです。湯船に浸かった時に、「(好好)あー、気もちいい。日本に生まれて本当によかった」と思うことがけっこうあります。
 また、私は散歩が好きなのですが、と、四季(+梅雨?)の移り変わりを感じることができ、それぞれの季節を楽しめることも、「日本に暮らせて幸せ」だと思います。

 現在日本に暮らすほとんどの人は、現実を変えなくても、心(がけ)を変えれば、「今は幸せ」と思えるようになれると思います。
 時には、「今生きている奇跡のような幸運に心を馳せる」ことから、幸せに暮らす心がけを始めてみるのもいいのではないでしょうか。



   

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