「幸せについて」
その36 今は幸せ

 幸せになるためには、何かを手に入れたり、現実を変える方法がふつうです。もう一つ、現実は変わらなくても、「今は幸せ」と思えるようになるという方法があります。
 前者は「○○たら、幸せになれる」という考えで、後者は「今のままでも、幸せになれる」という考えです。

 現実を幸せなものに簡単に変えられるくらいなら、誰も苦労はしません。そう簡単には変えられないから、なかなか幸せになれないのでしょう。
「○○たら、幸せになれる」ということは、「○○にならないと、幸せになれない」ということでもあります。

「今は幸せ」と思えるようになることは、自分の心の問題だけです。自分の心がけと努力しだいでできることだと思うのです。

「今は幸せ」と言っても、すぐに、すごく幸せと思えるようになるというのはまず無理でしょう。
 はじめは、「少し幸せ」でも、「それなりに幸せ」でも、「ある程度幸せ」でもいいのです。

「今は幸せ」と思えるようになるためのヒントは、この本の中ですでにいろいろ書いています。
 たとえば、「小さな幸せ」(その8)を大切にし、はじめは「幸せを意識して生活する」(その21)ことを心がけ、 いろんな「幸せに気づいて」(その22)「幸せを感じる」(その23)ことができるように、「今を大切に」(その15)して生活することです。
「今はある程度幸せ」ぐらいなら、思えるようになれるのではないでしょうか。

「あなたは幸せですか?」と聞かれたら、「はい」と答える人はけっこう多いと思います。「はい」と答えられる人は、基本的には幸せなのだと思います。
 そういう人は、「今は(基本的に)幸せ」と思えるでしょう。

 人が生きていく中では、悩みや問題を抱えます。でも基本的な幸せは変わりません。また、時には不幸な出来事も起こります。でも基本的な幸せを失うことはめったにありません。
「一部問題はあるけれど、基本的には幸せ」
「一時不幸になることもあるけれど、基本的には幸せ」
 こんなふうに自ら考えることができれば、落ち込むことも少なくなるのではないでしょうか。

「今は(ある程度/基本的に)幸せ」と思えるようになったら、さらに「今は幸せ。でも、もう少し幸せになれたらいいな。ではどうしたら?」と、「今は幸せ」の度合いを少しずつ高めていけばいいのです。日常生活の中で幸せを感じられる回数と時間を増やし、幸福感を確かに感じられるようにしていけばいいのです。

 現実を幸せなものに変えることも、「今は幸せ」と思いつつ、努力していったほうがいいのではないでしょうか。
「今は幸せ」と思えるようになれば、将来も「今は(もっと)幸せ」と思えることでしょう。

   

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