今週の生きるヒント 「傷つきやすい」
「(心が)傷つきやすい」「心が弱い」と悩む人がいます。
心が傷つきやすい人は、それだけ苦痛が多く、生きていくのがたいへんだと思います。
ここでは、「どんな人が傷つきやすいのか?」を考えることで、どうしたらできるだけ傷つかずにすむかを考えてみます。
1.小さいことでも傷ついてしまう人
傷つきやすいのはまず、皮膚が弱い人。つまり、小さいことでも傷ついてしまう人です。
これは性格に近いような気がします。ですから、変えるのはけっこう難しく、その方法もあまり思いつきません。
私は元来、このタイプです。私の場合には「ハオハオ」を身につけることで、心の皮膚にコーティングができたような気がします。たとえば、人間関係の場合、
人が何を言おうが
ハオハオ 人が何をしようが
ハオハオ
人がどう思おうが
ハオハオ いいことをしてくれたら
好!好!
小さいことは「ハオハオ、まぁいいか」と受け流すことができれば、傷つかずにすむのです。
「小さいこと」だと気づくためには、「1年たったら忘れてしまうこと?」と自問してみることをおすすめしたいと思います。
小さいことはできるだけ問題化しないのがいちばんだと思うのです。
2.痛みに弱い人
心が傷つきやすい人の中には、痛みに弱い人がいます。ちょっとした痛みでも(心の中で)大騒ぎしたり、耐えられない人です。イヤなことが一つでもあると生活に悪影響がでてしまう人です。
やるべきことをやらなかったり、悪い気分に流されて悪いことをしてしまったりして、次の問題を引き起こしてしまうこともあります。
悩みや問題があってもそれなりに幸せに暮らすことが大切です。
痛みに強い人は多少痛くてもふつうに生活できます。
痛みに弱い理由として考えられるのは、恐れすぎ、慣れていない、受け入れられないの3つです。
何かを恐れる気もちが強いと、そのことに敏感になるものです。少しでも心が痛むと「大変だ、大変だ」と思ってしまいます。
心の痛みに慣れていない人も、その状態に耐えられないでしょう。すぐに「誰かが悪い」「自分は弱い」などと考えて、嘆いたり落ち込んだりしてしまいます。
「心が痛むことはあるもの」「心が痛むことがあるのは当たり前」と(受け入れる)考えができるかどうかによって、痛みを感じる度合いは変わってくると思います。
そして、「多少の痛みは我慢すればいい」と覚悟できれば、それなりに我慢できます。多少でも我慢できれば、痛みに慣れることができ、次の時にはもう少し我慢できるでしょう。
ある程度の痛みには我慢できると思えるようになれば、心の痛みをそれほど恐れなくてすむと思います。
痛みに弱い人は、傷つくことを恐れて臆病になってしまいます。傷つく恐れがあることは、はじめから避けてしまったりします。それが幸せになる可能性があることでもです。
ふつうに生きようとしても、傷つくことはあります。それを恐れてふつうに生きることから逃げてしまうのは、別の大きい問題を生んでしまうのではないでしょうか。
傷つくことを恐れて何もしなければ、傷つかない術を身につけることも、痛みに強くなることもできません。ますます痛みに弱くなってしまうのではないでしょうか。
幸せになれる可能性があることをしなければ、それだけ幸せにもなれません。幸せになる能力も向上しないでしょう。
「心が痛むことはあるもの」「痛みには多少の我慢も必要」と覚悟するだけで、少しは痛みに強くなれると思います。痛みに弱い自分をそのままにしておくのは、自分を大切にしていないと思います。
3.自分で傷を悪化させてしまっている人
心の傷が深くなってしまったりなかなか治らない人は、自分で傷を悪化させてしまっているのかもしれません。
『くよくよしない考え方』には「心の傷が痛むのは〜自分が××しているから〜」ということを書きました。
悪い出来事があったあと、そのことを繰り返し考えてしまうとなかなか忘れられません。そのことを悪く考えてしまうと傷を悪化させてしまうこともあります。
傷ついてもすぐに立ち直れる“柳に風”流の強さがほしいと思います。そのためには、たとえば人間関係の場合には、イヤな人といっしょにいない時にはその人のことを考えない、余計なことを考えないような心がけが大切だと思います。
また、そんな弱い自分を責めるのも、自分をいじめ、自分を傷つけているのと同じだと思います。
傷つきやすい自分を少しでも強くしたいと思うのなら、自分で自分を傷つけるようなことはやめ、自分にやさしくすることを身につけたほうがいいと思います。
4.治りが遅い人
心の傷がなかなか癒えずに、一度傷つくとなかなか立ち直れない人もいます。
心の傷がなかなか癒えない人は、前記3.の自分で傷を悪化させてしまっている人かもしれません。
また、心の傷を早く癒すためには心の休息・栄養・運動を心がけることが大切です。多少心が痛むことがあっても生活の中で愉しむことが大事です。楽しい時間、やすらげる時間、夢中になれる時間などの幸せを感じられる時間を持つことが、回復力を高めてくれます。
心の傷からなかなか立ち直れない人は、前記2.の痛みに弱い人かもしれません。
ある程度回復したら、ふつうの生活に復帰するためにリハビリ(テーション)を考えてみると、より早く立ち直れるのではないかと思います。一つは、できることからふつうに生活することを心がける。もう一つは、心に傷を負ったことを「いい経験にしよう」と心がけることです。
心に傷を負ってからある程度時間がたっても心に傷が残っているという場合、それは傷痕だと思います。傷痕と言っても疼くことはあります。でも痛むのは自分でつっついているからではないでしょうか。ふと思い出しても、その事を悪く考えなければ苦しまなくてもすむはずです。
心が傷つきやすいと生きていくのはたいへんです。傷つきやすいことを嘆いていてもつらいだけ(自分をいじめているようなもの)です。
傷つきやすい自分をそのままに放っておかないで、少しでも強くなれるように努力したほうがいいでしょう。それはこれからの自分のためでもあります。
傷つきやすい人も、心がけと努力で心をそれなりに強くすることができると思うのです。
◇自分を強くするヒント