読書日記

  現在起っていること

 『自省録』(マルクス・アウレーリウス)より、
 君が或ることに不満をいだくときには、つぎのことを忘れているのだ。すなわちすべては宇宙の自然に従って起ること、また犯されたあやまちは他人のことであること。その上、すべて起ってくることはいつでもそのように起ったのだし、将来も起るであろうし、現在も至るところで起っているのであること。(中略)
 すべては主観にすぎぬこと。各人の生きるのは現在であり、失うのも現在のみであること。以上を忘れているのだ。
 何か不満を感じるのは、自分の望み通り・思い通りにならないことがあるからでしょう。
 でも、現実に起こったことは、もう変えようがないのです。
 自分(の考え方)を変えることで、不満を感じないようになれるといいのではないでしょうか。

 今現実に起っていることは、世の中にあり得ることなのです。過去にも同様なことがたくさん起ったでしょうし、将来にも何度も起ることなのです。
 起こり得ることが今自分の前で起っただけのことなのです。そのことを忘れないほうがいいのでしょう。

 あることに不満を感じたときに、「こういうこともある」と考えれば、不満は小さくなるのです。
 誰かに不満を感じたときに、「こんな人もいる」と考えれば、イライラは小さくなるのです。
 その人の考え方しだいで感じ方が変わるのです。つまり、すべては主観にすぎないのです。

 人間が生きられるのは現在だけです。今起ったことも、すぐに過去になるのです。過去のことのために現在を不満な気もちで過ごしてしまうのは、現在を損ねること、現在の幸せを失うことです。
 幸せに暮らせるようになるためには、今を大切にし、できるだけ不幸(な気もち)にならないことが大事なのです。
 そのために、幸せになる考え方ができるようになるといいのではないでしょうか。



   

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