智慧は、物ごとが存在できる原理、つまり「空」が理解できる機能(はたらき)です。空の内容は「縁起」ですから、縁起・因果律をよく究めて得られるのが智慧です。すべてのもの(物・人・事)が存在するという結果は、何らかの原因があり、何かの縁で生じたのです。
因は可能性であっても、縁(条件)が調わないと、因は果につながりません。因よりむしろ縁を重視し、縁によって、プラス・マイナスいずれにせよ果を生むから、仏教思想では「因果律(法)」や「因縁法」を、「縁起(論・説)」と読み換えるのです。したがって、因果律も因縁法も縁起説も、みな同意語です。
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